5月20日(月)のマーケット
5月17日のNYダウは終盤に上げ幅を拡大し終値で初の4万ドル乗せとなった。中国製品に対する関税引き上げで米国への生産回帰が期待されていることを背景に、工業ガスのエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズや銅鉱山のフリーポート・マクモランが買われた。バイデン政権は14日に電気自動車やリチウムイオン電池、半導体、ソーラーパネル、鉄鋼、アルミ、港湾クレーン、医療用品など中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると発表した。11月の大統領選挙での再選を目指し、重要産業への国内製造業の強化と雇用拡大を図ることが狙い。これに対して、トランプ氏はバイデン大統領のスーパー関税を物足りないと批判しているので、どちらが大統領になっても米国への生産回帰は強まると見られている。ただ、国際通貨基金(IMF)は米国による一部中国製品に対する大幅な関税引き上げは、2国間の緊張が高まることで世界の貿易と成長に悪影響が及ぶ恐れがあると批判した。レディットはオープンAIと提携を発表し大幅高。一方、ゲームストップは3日続落。NYダウは前日比1134ドル(0.34%)高の40,003ドル。ナスダックではエヌビディアは反発したが、テスラは4日続落。ビットコインの下落を受けて、マイクロストラテジーやコインベース、マラソン・デジタルが売られた。ただ、AMDは、マイクロソフトがクラウドコンピューティングの顧客に、AMDの人工知能(AI)半導体によるプラットフォームを提供する計画を発表したことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比12ポイント(0.07%)安の16,685。S&P500指数は前日比6ポイント(0.12%)高の5,303。
先週末のNYダウは終値で初の4万ドル乗せとなったが、半導体株中心にナスダックは小幅安だったため、週明けの日経平均は小安く始まった。しかし、モルガン・スタンレーがTOPIXの来年央の目標株価を2800→3200に引き上げたことが好感され、買いが入った。後場はAI関連の米エヌビディアの決算発表を22日に控え、やや上げ幅を縮めた。銅が2年ぶりの高値となり住友鉱山が買われた。石油株や鉄鋼株も高い。SBGや三菱重工は下落。
スタンダード市場では、麻生との業務提携を契機に住石HDは3日連続ストップ高。東北新社は大幅増配発表でストップ高。日本山村硝子はアクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏の長男による保有判明でストップ高となった。さくらKCSが反発。サン電子と銭高組は反落した。
グロース市場では、Kudanやデータセクション、LaboroAI、ビジネスコーチ、コパコーポが買われストップ高。アイズは広告業界プラットフォーム「メディアレーダー」の技術特許取得でストップ高。プロパティDBKやcoly、TWOSTONEは大幅安となった。
チャート上では、長い上ヒゲを伴う陽線。3万9000円台を回復して、3万9400円台まで上値を伸ばしたが、戻り売りに押された。各移動平均線の傾きも改善されはじめており、次は一目均衡表の雲抜けを期待したいところ。
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注目記事 Pick up
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【急騰相次ぐ「株主優待」新設銘柄】
日本証券新聞5月21日(火)紙面1面TOP記事掲載
一方で高水準の優待廃止も“地雷”感は薄れる
株主優待絡みの銘柄に人気化が相次いでいる。先の決算発表シーズンに優待新設を発表した銘柄では、20日にイー・ガーディアン(6050・P)、トラストHD(3286・G)、アイスコ(7698・S)、Geolocation Technology(4018・福証Q)が年初来高値を更新。サンワテクノスは4月16日以来の戻り高値を付けてきた。
これらは決算と同時発表のため、どこまでが優待効果によるものかは微妙ながら、表参照の通り、優待の新設銘柄群と除外銘柄群の発表直後の株価反応の明暗を踏まえれば、「株価材料としての株主優待」のインパクトの大きさがうかがえよう。
なかでも上げっぷりが目立つのはトラストHD。10日引け後発表後、一時連続ストップ高を交え、20日高値まで「6日間で58.6%高」となった。300株以上の株主に九州の特産品(8,000円相当)を贈る内容で、単純な金額換算では300株主にとって1株26.66円。急騰を経た時価ベースでも利回り3%強に相当する。
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今日の市況概況
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5月20日(月)☆[概況/大引け]
モルガン・スタンレーのTOPIX目標引き上げを好感。銅が「新時代の石油」で買われ住友鉱山が高い
大引けの日経平均は282円高の3万9,069円、TOPIXは22ポイント高の2,768ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,143、下落銘柄数は463。出来高は18億371万株、売買代金は4兆1,510億円。
先週末のNYダウは終値で初の4万ドル乗せとなったが、半導体株中心にナスダックは小幅安だったため、週明けの日経平均は小安く始まった。
しかし、モルガン・スタンレーがTOPIXの来年央の目標株価を2,800→3,200に引き上げたことが好感され、買いが入った。
解説によると、中期的に名目GDPは、2013年~19年の平均1.6%を構造的に上回る2.5%を維持すると予想。夏までに賃金の伸びは3%前後に上昇する見通し。ROE(自己資本利益率)が現在の9.7%か2025年末までに世界平均の12%に近づくに連れて、日本株の構造的ブルマーケットは続くと予想している。
海外投資家からの買いが続くことが期待され、日経平均は前場に一時649円高の3万9,437円となったが、22日にAI関連の米エヌビディアの決算発表を控え、後場は上げ幅を縮めた。
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