6月7日(金)のマーケット
6月6日のNYダウは3日続伸、ナスダックは4日ぶりに小反落。週間の新規失業保険申請件数は前週比8千件増の22万9千件となり、市場予想の22万件を若干上回った。利下げ観測を遠ざけるものではなかったため、NYダウは序盤に196ドル高となったが、翌日に雇用統計の発表を控えているため、上げ幅を縮めた。ゲームストップが買われ、セールスフォースやウーバー・テクノロジーズが高い。デルは反落し、ファイザーが安い。NYダウは前日比78ドル(0.20%)高の38,886ドル。ナスダックではエヌビディアが4日ぶりに小反落となり、スーパーマイクロコンピュータも反落した。アマゾンは買われた。NASDAQ総合指数は前日比14ポイント(0.09%)安の17,173。S&P500指数は前日比1ポイント(0.02%)安の5,352。
日経平均は米国雇用統計発表前で反落。塩野義製薬は肥満症治療薬の臨床試験データが失望され大幅安。アドバンテストやニデックが安い。トヨタは三菱UFJと三井住友が株式売却を検討と報じられた。サワイグループは中期経営計画の目標が楽観的という見方から大幅安。レーザーテックは不正会計を疑うレポートに対して、「棚卸資産の会計処理」について説明し反論したため9日ぶりに反発。日東電工は大和証券がレーティングを引き上げた。
スタンダード市場は小じっかり。名村造船と伊勢化学、倉元製作、ジオコードが反発し、ジャパンエンジンが大幅高。歯愛メディカルが大幅続伸。三ッ星が急騰。日本電子材料は反落し、Abalanceは4日続落。ヴィスは立会外分売で下落。
グロース市場では、かっこはイオンネクストが不正注文検知サービスを導入したためストップ高。ブルーイノベーションは「機種別ドローン操縦者技能・運用証明証」の新設に参画しストップ高。ノイルイミューンとアスタリスクがストップ高。アストロスケールは大幅続落。
日足チャート上では、収れんを見せる各移動平均線に挟まれて推移した。25日移動平均線を上回って週末を迎えたが、上値は3万9000円処で頭打ちとなる展開が続いてる。今週は一目均衡表の変化日を迎えたが、明確に雲抜けを達成するには至らず。週足では十字足が示現しており、チャート形状の煮詰まりがうかがえる。引き続き、13週移動平均線(3万8811円)に頭を抑えられる展開が続いている。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均は依然として膠着感の強い展開を続けています。
今週はなにかと話題の多い週でもありました。ソフトバンクグループ(9984)にはアクティビティストのエリオット・マネジメントが大量に取得し、保有現金の一部を株主に還元するよう求めた模様です。
同様にフジ・メディアHD(4676)には、大株主のダルトン・インベストメンツがMBOによって株式を非公開化することを求めています。
「お茶漬け海苔」で知られる永谷園HD(2899)は、MBOを通じて非公開化する道を選びました。今後も小型株の中から同じような非上場化の動きが出てくることが予想されます。
企業経営者は強い意思をもって、将来の路線を選択することがこれまで以上に強く求められています。それらの動きが相互に重なって生じることで、市場は長引く保ち合いレンジをいよいよ放れてくることになるのでしょう。市場全体に動きが出てくることがそろそろ予想されます。
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注目記事 Pick up
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【再び脚光!?「10年目のJPX日経400」】
日本証券新聞6月10日(月)紙面1面TOP記事掲載
3日に最高値、今夏の入れ替えにも関心
引け後の雇用統計発表を控えて様子見気分の広がった7日の東京市場。日経平均は4月半ば以降、13週移動平均線に頭を抑えられた展開だが、各主要指数のなかで、このところひと際強さが目立つのがJPX日経インデックス400だ。週明け3日に3月22日最高値を払った後は一息入れているものの、5月以降の騰落を追うと、7日時点で、日経平均の「12勝15敗」、TOPIXの「14勝13敗」に対し、「16勝11敗」の高勝率。年初来の騰落率で見ても、日経平均15.59%高、TOPIX16.42%高に対し、JPX日経400は17.75%高となっている。
指数算出から今年で10年を迎えたが、TOPIXとのパフォーマンスの類似性なども災いしてか近年は主要指数間で埋没した感は否めず、公的年金のベンチマークからも外されている。とはいえ、ガバナンス改革が進むなかで関心の高まる「ROE(自己資本利益率)」を銘柄採用基準とするこの指数の特性にはあらためて見直しの目が向けられていいのではないか。2年前の選定基準改定でもROE重視の姿勢を一段と強めている。
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今日の市況概況
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6月7日(金)☆[概況/大引け]
米雇用統計発表前で小幅安。塩野義が大幅安。レーザーテックは9日ぶりに反発
大引けの日経平均は19円安の3万8,683円、TOPIXは2ポイント安の2,755ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は954、下落銘柄数は634。出来高は13億4,640万株、売買代金は3兆4,623億円。
米国雇用統計の発表前で、日経平均は小反落となったが、プライム市場全体では上昇銘柄数の方が多い。
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