6月17日(月)のマーケット
6月14日のNYダウは4日続落。フランスの国民議会(下院)の総選挙は6月30日に第1回投票、7月7日に第2階投票が実施される。フランスのルメール経済・財務相は、総選挙で極右や極左が勝利すれば、歳出拡大などにより金融危機のリスクに直面しかねないと警告したため、フランスの株式市場は続落となり、他の欧州株も続落となった。欧州株安に加えて、米国ではミシガン大学が発表した6月の消費者信頼感指数が65.6と、5月の69.1から低下し、市場予想の72.0を下回った。クルーズ船旅行のカーニバルや高級ライフスタイルブランドのアール・エッチなど高額消費関連が売られた。NYダウは前日比57ドル(0.15%)安の38,589ドル。一方、長期金利の低下を受けて、ハイテク株は買われ、ナスダックは5日続伸。エヌビディアは3日続伸、ブロードコムは6日続伸となった。アドビはAIを搭載した編集ツールが寄与し、売り上げ予想を上方修正したことで大幅高。テスラは反落。13日の株主総会でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)への560億ドル規模(約8兆8千億円)の報酬案を承認したため、マスクCEOがテスラの経営に集中するという期待で13日の株価は上昇した。しかし、高額な報酬は企業の投資資金を阻害するという批判も考慮され、14日は下落した。NASDAQ総合指数は前日比21ポイント(0.12%)高の17,688。S&P500指数は前日比2ポイント(0.04%)安の5,431。
日経平均は大幅安で一時3万8000円割れ。日銀総裁が国債買い入れの減額は「相応の規模」と発言したことに加え、次回の7月末の決定会合では利上げも一緒にというリスクシナリオも警戒された。6月30日の仏総選挙では極右政党が下院で最大勢力となると債務危機が発生する恐れがあることも不安要因。日銀政策への警戒感から不動産株が反落。石油株が売られ、精密や証券も業種別下落率上位。アップルのAI新商品の発表を受けて太陽誘電は5日続伸。
スタンダード市場では、スマホ向けアクセサリーのHameeは前期好決算だったが、今期の増益率鈍化で大幅安となった。AI関連のHEROZは今期の最終利益予想が小幅な黒字だったため失望された。ザインエレクはデータセンター向けの低消費電力・低遅延の光半導体事業に参入で高い。
グロース市場では、クオリプスは7日ぶりに反落。MacbeePが続落。GAtechは反落。サンバイオは大幅高が継続し、自転車のダイワサイクルは四半期ベースの最高益を更新し急騰した。モバイルバッテリーシェアリングのINFORICHはSBI証券が新規「買い」と発表。
チャート上では、寄付きが高値となる陰線。ギャップダウンで25日移動平均線(3万8720円)を下放れ、一時は3万7000円台となる時間帯もあった。3万8000円台を維持することができるか、正念場となる。
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注目記事 Pick up
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【今来週「配当支払いラッシュ」へ】
日本証券新聞6月18日(火)紙面1面TOP記事掲載
7月上旬まで“日本株固有の特殊需給”環境続く
一転急落に見舞われた17日の東京市場。日経平均は712.12円安と今年6番目の下げ幅となった。欧州政治情勢悪化に伴うリスク・オフムードの高まりに加え、前週末の日銀会合を受けて「日銀が量的金融引き締め政策に踏み切ると誤解した海外勢の売りが膨らんでいる」との指摘も聞かれた。なお日経平均の300円以上の下げは4月以降で12度目だが、過去11回の翌日の騰落は9勝2敗(500円以上の急落の翌日は6勝2敗)。今回も一過性の下げにとどまるのか、それとも…。欧州情勢などについては海外市場の今後の反応が注目されてくるところだが、それとは別に、特に6月下旬から7月上旬にかけては“東京市場特有の特殊な需給環境”が訪れるので、その辺もチェックしておく必要がありそうだ。
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今日の市況概況
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6月17日(月)☆[概況/大引け]
712円安。7月末の日銀会合で3兆円減額と利上げ同時実施のリスクシナリオ
大引けの日経平均は712円安の3万8,102円、TOPIXは46ポイント安の2,700ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は336、下落銘柄数は1,265。出来高は15億7,082万株、売買代金は3兆6,272億円。
日経平均は大幅安となり、一時864円安の3万7,950円となった。
日銀総裁が国債買入の減額について、「減額する以上、相応の規模となる」と発言したため、月額6兆円の買入に対して、1兆円の減額では済まず2兆円という予想が増えた。ドイツ証券では3兆円と予想。
その他、日銀は利上げが遅れることで円安進行に拍車がかかる事態を避けるために、次回7月30日~31日の金融政策決定会合では、利上げも決定するのではないかという見方も一部で意識された。
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