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コラム2024年6月28日

【本日のマーケット】6月28日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月28日(金)のマーケット                                                                   

6月27日のNYダウは小幅続伸。ナスダックも小幅だが3日続伸。夜に大統領選挙に向けた候補者のテレビ討論会が開かれ、28日には5月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表されるため、積極的な売買が控えられた。アマゾンは3日続伸となったが、マイクロン・テクノロジーは売上高見通しが物足りないという見方で売られ、エヌビディアも売られた。薬局チェーンのウォルグリーンは業績下方修正で急落した。NYダウは前日比36ドル(0.09%)高の39,164ドル。NASDAQ総合指数は前日比53ポイント(0.30%)高の17,858。S&P500指数は前日比4ポイント(0.09%)高の5,482。

28日は四半期末と月末で輸入企業からのドル買いが入り、円相場が1ドル=161円台となった。日銀は円安に歯止めをかけるために7月末の決定会合で追加利上げを講じるのではないかという憶測で銀行と保険が買われた。米大統領選の討論会でトランプ優勢という反応から関税引き上げ警戒が抱かれ、後場の日経平均は上げ幅を縮めた。レーザーテックやソフトバンクG、アドバンテストが高く、IHIが上昇。KADOKAWAは身代金が要求され下落。

スタンダード市場では、Abalanceが大幅反落。回転寿司の銚子丸は人件費上昇が響き、今期減益予想のため大幅安となった。ザインエレクとハーモニックドライブが安い。一方、GMOアドは大幅高が継続。YE DIGITALは好決算で買われ、大運は自社株買いの発表が好感された。

グロース市場では、ENECHANGEは有価証券報告書が提出できず、監理銘柄に指定されストップ安。豆蔵デジタルが反落。リグアは石灰石で作るLIMEXでプラスチック代替を目指すTBMと業務提携でストップ高。中村超硬はインドの太陽電池向けにダイヤモンドワイヤを増産。

日足チャート上では、収れんを見せていた各移動平均線を上方にブレイク。一目均衡表の雲の下限で踏み止まり、雲抜けも示現。3万8500円から3万9000円の保ち合いを上抜けて、先週までとは見える景色も変わってきた。週足では大陽線を引き、頭を抑えていた13週移動平均線(3万8583円)を11週ぶりに上放れた。パラボリックも4月1週目以来の陽転となり、4万円を射程圏に捉えた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。先週から今週にかけて、株式市場には大きな変化が見られました。日経平均が週明けからスルスルと上昇して、あっという間に39,000円台の半ばに到達したという事実です。

今週の株式市場の物色動向を子細に見てゆくと、ひとつの特徴が浮かび上がります。物色テーマが存在しないというか、上昇する銘柄がきわめて広範囲に及んでいるという点です。

中でも小型株の物色が目立ち、日替わりで次々と上値を追いかけています。それらはいずれも業績の上方修正期待が高い銘柄ということになります。

「半導体関連株」や「防衛関連株」という、「物色テーマ」として大枠でくくるのではなく、個々の企業をひとつずつ丹念に調べ直す必要があります。主に内需系企業に業績の上方修正企業が多く現れてくるように見られます。それこそが現在の日本株式市場の強みでもあるはずです。

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2024年相場前半戦の最終日となった6月28日、TOPIXは一時3月22日高値2,813.22を上回る場面があった。3カ月のもみ合いを経て、満を持しての上放れ展開に期待したいところだが、ここで頭をかすめるのが1年前の経緯。昨年は後半戦初日となる7月3日に日経平均が2週ぶりの高値を付けたが、その後も抜けそうで抜けず、結局そこが年間高値となってしまったためだ。

表①にも表れているが、5~6月に買われた後、秋口にかけて調整に入るのが恒例の季節パターン。7月に入れば、英仏総選挙や下旬の日米金融会合など様子見を誘うイベントが相次ぎ、需給面ではETF分配金捻出売りも意識されてきそう。27日の米国市場でNASDAQやS&P500が再び高値肉薄となってきたが、なぜか7月は日米株の連動性が低下しやすい(表②参照)。つまるところは、6月第3週(17~21日)まで5週連続売り越しを続ける外国人がどこで買いに転じるか次第ということになろう。

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今日の市況概況
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6月28日(金)☆[概況/大引け] 

1ドル=161円台で追加利上げ観測から金融株が高い。ラビダスの1.4ナノ構想で検査装置が買われた

大引けの日経平均は241円高の3万9,583円、TOPIXは15ポイント高の2,809ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は660、下落銘柄数は925。出来高は17億1,853万株、売買代金は4兆2,833億円。
四半期末と月末で輸入企業からのドル買いが入り、円相場が1ドル=161円台となった。
日銀は円安に歯止めを掛けるために7月末の決定会合で追加利上げを講じるのではないかという憶測から、銀行株と保険株が買われた。

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