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コラム2024年7月19日

【本日のマーケット】7月19日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月19日(金)のマーケット                                                                   

7月18日のNYダウは7日ぶりに反落、ナスダックは続落。NYダウは前日までの6連騰で、1,906ドル上昇し、最高値を更新していたため、利益確定の売りが出た。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックスなどの金融株が売られた。スイスの医薬品メーカーのロシュが肥満症治療薬候補の初期治験で体重減少を示したため、競争激化懸念で、肥満症治療薬を手掛けるデンマークのノボ・ノルディスクと米国のイーライリリーは売られた。住宅建設大手のDRホートンは4~6月期決算がアナリスト予想を上回ったことで買われた。NYダウは前日比533ドル(1.29%)安の40,665ドル。一方、ブロードコムはオープンAI向けに人工知能(AI)用半導体を製造することを協議していると報じられ買われた。メタ・プラットフォームズは、サングラスの有名ブランド「レイバン」を展開するフランスのエシロールルックスオティカとスマートグラス(眼鏡型端末)を共同開発しているが、エシロールの株式を5%取得することを検討していると報じられ、開発強化が期待され上昇した。NASDAQ総合指数は前日比125ポイント(0.70%)安の17,871。S&P500指数は前日比43ポイント(0.78%)安の5,544。

バイデン大統領が今週末にも大統領選から撤退する可能性があると報じられた。トランプ再選予想に基づくアメリカ・ファースト相場の行方が分からなくなるという不安から、日経平均は下落したが、押し目買いが入り下げ幅を縮めた。第1四半期決算がアナリスト予想を下回ったディスコは売られたが、東京エレクとアドバンテストは反発。海運と空運、電力ガスが売られ、アステラス製薬はジェフリーズが格下げ。良品計画はみずほ証券が目標株価を増額。

スタンダード市場では、伊勢化学は調整が続き、住石HDが売られた。住信SBIネット銀は続落。新都HDが大幅安。光世証券は第1四半期が営業赤字で大幅安。冷感衣料「氷撃」のリベルタは4日連続ストップ高。AIを共同研究開発することでSIGは再び買われストップ高。サン電子が上昇。

グロース市場では、シンバイオ製薬が反落。セルシードとELEMENTSがストップ安。Jフロンティアは不適切会計に関する特別調査委員会を発表しストップ安。WOLVESはペットのがんの早期発見で共同研究契約を発表しストップ高。ネクストーンは著作権料の直接徴収拡大でストップ高。

日足チャート上では、6日ぶりの陽線。今週は高値波乱の週となり調整色が色濃くなった。25日移動平均線(4万2円)をザラ場で割り込んだが大引けでは回復し、かろうじて4万円の大台を維持した。先週、このコーナーで伝えた酒田五法「捨て子線は暴落の兆し」の一説通りとなってしまった。週足では大陰線。一目均衡表の転換線(4万21円)で下げ止まった格好となった。下方から上昇を見せる13週移動平均線(3万9089円)まではまだ距離がある。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場が波乱の様相を強めてきました。米国の大統領選の行方が早くも影を落としています。

副大統領候補に指名され、先に指名受諾演説を行ったバンス上院議員は、演説の中で米国の労働者を前面に押し出しました。国内外に向けて「労働者ファースト」の方針を強く打ち出しています。

そこではウォール街に代表されるグローバルな大企業よりも、労働者、労働組合、非組合員を前面に打ち出していました。共和党とはまるで思えない、民主党候補のような演説内容です。

「選挙イヤー」の今年。フランス、イギリス、インド、南アフリカと数々の政治体制の転換をこれまではくぐり抜けて来ましたが、やはり最後に控える米国の大統領選が最大のリスク要因です。

しばらくはリスク回避とポジション組み換えをやり過ごす時間帯が続くことでしょう。ここまで大きく上昇したセクターほど売られやすく、逆にディフェンシブ株を含めてさほど動きが見られなかったセクターの上昇余地が大きくなりそうです。

人々に明るい希望を抱かせる政策をどこまで打ち出せるか。少なくとも米国はすでにそのような方向に向かい始めています。わが国もそのうしろを必死で追いかけなくてはなりません。

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注目記事 Pick up
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【円安トレンドは継続】
日本証券新聞7月22日(月)紙面1面TOP記事掲載 

次回160円突破なら170円も!? 東海東京 柴田秀樹氏

為替の当たり屋、スペシャリストといえば東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストだ。昨年12月にはほとんどの相場関係者が2024年は円高になると予想する中、「円安基調は不変」と断言し、ズバリ的中させた。その柴田氏は18日のメディア向け勉強会で、「円安トレンドは継続するだろう」との見方を示した。

ドル円は今月11日に161円台まで上昇した後、政府・日銀による介入とみられる円買いや、米大統領選で優位になったともいわれるトランプ前大統領が円安へ懸念を示したことなどから、18日には155円台まで戻した。足元19日昼は157円台半ばになっている。

今後、米国は雇用、経済の減速で9月の利下げを市場が織り込み、日本も輸入物価の高止まりで利上げを模索。日米の金利差が縮小することで、円安トレンドは終了し、円高に転じるとみる向きもある。シカゴの投機筋の積み上がった円ショートの巻き戻しも円高要因となっている。

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今日の市況概況
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7月19日(金)☆[概況/大引け] 

トランプが攻撃な言動を封印したため、日経平均は下げ幅を縮めた

大引けの日経平均は62円安の4万63円、TOPIXは7ポイント安の2,860ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は464、下落銘柄数は1,123。出来高は15億3,386万株、売買代金は3兆8,167億円。
バイデン大統領が今週末にも大統領選から撤退を決断する可能性があると報じられた。
民主党の候補者が代わると、トランプ当選確率が下がるため、トランプ再選予想に基づくアメリカ・ファースト相場の行方が分からなくなるという見方から日経平均は下落した。
大統領選挙の行方は9月10日のテレビ討論会まで混沌とすると見られている。
ただ、トランプ前大統領が共和党の指名受諾演説で攻撃的な言動を封印したため、穏健派の有権者を取り込むと見方も意識され、後場の日経平均は下げ幅を縮めた。

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