10月3日(木)のマーケット
10月2日の米国株式市場は小反発。イランによるイスラエルへの弾道ミサイル攻撃の影響で、米国株式市場は下落して始まったが、ADPによる9月の全米雇用報告で民間部門の雇用者数が前月比14万3千人増加と、市場予想の12万人増を上回ったため、上昇に転じた。セールスフォースはノースランドが投資判断を引き上げたことで買われた。医療保険のヒューマナは、政府が民間企業のメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険)プランの品質評価を見直したため、2026年の利益が圧迫される可能性があるとの予想を示したことで売られた。ナイキは14日の最高経営者(CEO)撤回の関係で、通期業績予想を撤回したが株価は下落した。NYダウは前日比39ドル(0.09%)高の42,196ドル。ナスダックではエヌビディアが反発。コンサルティング大手アクセンチュアと提携し、企業のAI利用促進を図ることが材料視された。テスラは7~9月期の納車台数が46万2890台(前年同期比6.4%増)だったが、アナリストの予想は約46万3900台だったため下落した。NASDAQ総合指数は前日比14ポイント(0.08%)高の17,925。S&P500指数は前日比0.7ポイント(0.01%)高の5,709。
石破首相が利上げを牽制する発言したことや4日の所信表明演説に「原発の利活用推進」を盛り込むと報じられたため、経済優先に豹変したように見えることが株高材料と期待された。米エヌビディアのCEOが次世代AI半導体の「ブラックウェルの需要は常軌を逸している」と語ったため半導体関連が高い。大和証券が2日にバフェット氏の投資スタイルのイメージと紹介した保険と海運が堅調。霞ヶ関キャピタルは好決算で急騰。兼松は株式売出で下落。
スタンダード市場では、タウン誌のセーラー広告が地方創生関連で連日のストップ高。ホテル向けホーロー浴槽の大和重工はマネーゲーム的に買われ、ストップ高。ハーモニックドライブはヒューマノイドロボット向け減速機の量産体制に向け戦略投資を実施すると報じられたが戻り売りに押された。
グロース市場では、アストロスケールが受注金額の追加増額を発表し大幅反発。地方創生関連の雨風太陽は大幅続伸。直近新規公開株で物流事業者の安全活動を支援するアスアが急騰。カヤックは総務省から「地域おこし協力隊の戦略的広報」を受託しストップ高。イタミアートは続落。
チャート上では、長めの上ヒゲを伴う陽線。ギャップアップで3万9000円手前まで上値を伸ばし、昨日の急落分をほぼ埋める格好となった。大引けはちょうど5日移動平均線(3万8552円)上で引けた。
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注目記事 Pick up
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【円安進行で日経平均1,000円高 石破発言に敏感地合い】
日本証券新聞10月4日(金)紙面1面TOP記事掲載
追加利上げ否定 緩和基調維持を明言
前日の1,000円安から一転、3日の東京市場では日経平均株が前日比1,047.99円高の3万8,856.75円まで買われる場面があった。終値は同743.30円高の3万8,552.06円と急反発。
ドル円相場が1ドル=147円台に下落、「円安・株高」の構図が復活した。石破茂首相は2日夕、首相官邸で就任後初めて植田和男日銀総裁と面会、金融や経済、物価情勢などについて意見を交換した。会談後、「個人的には」と前置きしつつ「現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」との認識を示し、今後についても「緩和基調を維持しながら経済が持続的に発展することを期待している」と述べた。植田総裁も政策判断に向けて「見極めるための時間は十分にある」などと発言、日銀の追加利上げ観測が後退した。
海外市場で146円台まで下落、3日の東京市場では147円台前半と8月20日以来の円安水準となった。石破首相は「政府としてあれこれ指図をするような立場にはない」としているが、首相が金融政策の在り方に踏み込んだ発言をするのは異例のこと。
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今日の市況概況
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10月3日(木)☆[概況/大引け]
石破首相が経済優先の姿勢を示したと好感された
大引けの日経平均は743円高の3万8,552円、TOPIXは31ポイント高の2,683ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,292、下落銘柄数は309。出来高は19億664万株、売買代金は4兆2,946億円。
石破首相は日銀の利上げについて、1日に「金利についてとやかく申し上げることはではないが、注意深く見守っていきたい」と述べたが、2日は「政府としてあれこれ指図する立場ではない」と述べつつ、「個人的には追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」とトーンを上げた。
石破政権になり株価が急落したため、10月27日の総選挙も悪影響が及ぶことは避けたいと立て直しを図っているようだ。
自民党総裁選への立候補を表明した8月の記者会見では、原発依存度をゼロに近づける考えを示したが、10月4日に行う所信表明演説では「原発の利活用推進」を盛り込むと報じられたため、経済優先の姿勢を示したと好感された。
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