11月15日(金)のマーケット
11月14日のNYダウは反落。パウエルFRB議長が「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」と述べたため、利下げ観測が後退した。イーライリリーは肥満症治療薬「チルゼパチド」の注射を週1回、3年間続けた患者は99%近くが投薬後に糖尿病を発症しなかったとする研究結果を発表した。8月に臨床試験データの概略を発表済みで、今回詳細を公表したが、あまり材料視されず、株価は下落した。ディズニーは映画と「ディズニー+(プラス)」などのストリーミング事業が好調で、7~9月期決算がアナリスト予想を上回ったため買われた。NYダウは前日比207ドル(0.47%)安の43,750ドル。ナスダックは3日続落。トランプ次期大統領の政権移行チームは電気自動車(EV)購入に対する7,500ドル相当の税額控除を廃止する方針と報じられ、テスラは下落した。トランプ候補を支援してきたイーロン・マスク氏は、トランプ政権からEV支援を得られなくても、他にAI(人工知能)や衛星通信、宇宙、デジタル医療などの事業を手掛けているため、それらに対する規制緩和をトランプ大統領に提言することで、選挙支援の見返りを得るとみられている。NASDAQ総合指数は前日比123ポイント(0.64%)安の19,107。S&P500指数は前日比36ポイント(0.61%)安の5,949。
日経平均は4日ぶりに反発。ASMLが2030年の売上予想を維持し、半導体関連に買いが入った。みずほは16年ぶりの自社株買いが好感され、かんぽ生命は業績上方修正と自社株買いの発表で大幅高。マクロミルはTOBが発表されストップ高。日産はエフィッシモ以外にオアシスも買っていたと報じられた。日本製鋼所は北米向けで小型モジュール式原子炉部材を初受注。半面、電通は業績下方修正でストップ安。アサヒGは豪州低迷を警戒。
スタンダード市場では、メタプラネットが反落し、パチンコ機メーカーのユニバーサルは業績悪化で急落した。中古車輸出のオプティマスは業績予想を下方修正しストップ安。青山財産は好決算と自社株買いの発表で急騰した。リベルタはクラウドファンディングの企業と業務提携でストップ高。
グロース市場では、リカレント関連のSchooが今期の業績拡大予想でストップ高。UUUMはTOBが発表されストップ高。BuySellは好決算と株式分割でストップ高となった。マーケティング支援のAnyMindは業績上方修正でストップ高。DELTA-Pは赤字拡大で大幅安。
日足チャート上では4日ぶりの反発となったが、2日連続の安値引け。4本連続の陰線を示現しており売り圧力の強さがうかがえる。連日で25日移動平均線で跳ね返されており、200日移動平均線(3万8527円)がサポートラインとなるかポイントとなる。週足では上下にヒゲを伴う陰線。ほぼ先週の陽線の範囲内での値動きとなった。下値は26週移動平均線(3万8481円)で下げ止まった格好。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。アメリカの大統領選挙から激動の1週間が過ぎました。その閣僚人事の強硬派ばかりと言う顔ぶれを見るにつけ、警戒心ばかりが先に立ちます。
1月から始まる新政権の政策の行方に戦々恐々としているというのが世界の現状だと思います。
アジア各国の株式市場が大きく下げているところを見ても、影響は相当広範囲に及んでいると言うことになります。それでも日本の下げは軽微にとどまっており、現状では日本は何とか乗り切れる、持ちこたえられるというのがマーケットの評価になろうかと思います。
むしろ企業サイドからの決算発表は良好です。今週明らかになったところでは、青山商事(8219)が配当性向を70%に引き上げる決断を下したり、THK(6481)が保有する現金を使い切るまで増配や自社株買いを行うことを明らかにしています。
企業の変革の自助努力がかなり加速していると感じられます。企業収益上の数字そのものには明らかになりにくい部分で、変革の意識は着実に高まっているように感じられます。
こうなると株式市場は底堅さを強めて、年明け以降に上昇が再開していくのではないかと考えられます。しばらくは我慢の時間帯との認識をしておきたいものです。
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注目記事 Pick up
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【3メガバンク そろい踏み 増額+増配+自社株買い】
日本証券新聞11月18日(月)紙面1面TOP記事掲載
みずほ 年初来高値 三菱UFJは中計の前倒し達成へ
15日の東京市場では三菱UFJFG(8306・P)、三井住友FG(8316・P)、みずほFG(8411・P)の3メガバンクがプライム市場の売買代金ランキングでトップ10入りするなど大手行を中心に銀行株がにぎわった。みずほとりそなHD(8308・P)は年初来高値を更新した。
3メガバンクは14日に決算を発表、そろって通期業績予想の増額修正、増配、自己株式の取得を発表、評価が高まっている。7月の政策決定会合で日銀が追加利上げを実施したことも追い風となっている。表には5社の自社株買いを掲載した。各社とも時期は異なるが、取得した株式の消却も行う。
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今日の市況概況
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11月15日(金)☆[概況/大引け]
大引けにかけて伸び悩んだ
大引けの日経平均は107円高の3万8,642円、TOPIXは10ポイント高の2,711ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は813、下落銘柄数は768。出来高は21億8,810万株、売買代金は4兆6,014億円。
日経平均は4日ぶりに反発したが、ポジション調整の影響で大引けにかけて伸び悩んだ。
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