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コラム2024年11月22日

【本日のマーケット】11月22日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月22日(金)のマーケット                                                                   

11月21日のNYダウは続伸、ナスダックはもみ合い。週間の新規失業保険申請件数が前週比6千件減の21万3千件と、市場予想の22万件を下回った。ビッグデータ分析のスノーフレイクはAI活用の新製品効果で、11月~1月期の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことで買われた。農業機器メーカーのディアは8~10月期の1株利益が前年同期比45%減だったが、アナリスト予想は上回ったことで買われた。NYダウは前日比461ドル(1.06%)高の43,870ドル。ナスダックはもみ合い。エヌビディアは小幅高だったが、マイクロン・テクノロジーやアプライド・マテリアルズは買われた。ビットコインは一時9万9,000ドル乗せとなったが、マイクロストラテジーやコインベースは利益確保の売りで下落した。司法省は20日、米グーグルの検索サービスの独占を解消するため、インターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」事業の売却を含む是正案を連邦地方裁判所に提出したため、グーグルの持ち株会社のアルファベットは売られた。NASDAQ総合指数は前日比6ポイント(0.03%)高の18,972。S&P500指数は前日比31ポイント(0.53%)高の5,948。

米エヌビディアが事業環境について「1兆ドル規模の汎用デンターセンターのアップデートが必要」と述べたことや、韓国SKハイニックスが世界初となる321層のNAND型フラッシュメモリの量産開始を発表したため、データセンターの効率化に寄与するという見方で半導体関連とフジクラが反発し、さくらインターネットが大幅高。ポイントサイトのセレスは子会社がネットプロテクションズと業務提携で高い。ニデックとユニオンツールは続落。

スタンダード市場では、金融庁が暗号資産(仮想通貨)や法定通貨などに価値が連動するステーブルコインの仲介業を新設する検討に入ったと報じられた。Speeeは子会社のDatachainがステーブルコイン決済プロダクトの開発を行っているためストップ高。犯罪捜査向けソフトのサン電子が高い。

グロース市場では、HOUSEIは新事業として、シンガポール企業のAI用高性能サーバーを日本で販売すると発表し、ストップ高。フィードフォースは初配当を発表しストップ高となった。ストリームメディアが上昇。クオリプスは大幅反落。Hmcommは利益確保の売りに押された。

日足チャート上では3日ぶりの反発で上下にヒゲを伴う陽線。終値では11月11日以来9営業日ぶりに5日移動平均線上に浮上したが、未だ一目均衡表の雲の中に位置している。200日移動平均線(3万8582円)を回復できずに週末を迎えた。週足では十字足に近い実体線の短い陽線。13週(3万8368円)・26週移動平均線(3万8467円)には届かず、軟調地合いが続いた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。世界中の投資家は来年のことで頭がいっぱいになっています。「トランプ2.0」の開始を誰もが固唾を飲んで見守っています。

株式市場において、今年の売買は早くも手仕舞いに向かいつつあるようです。主力銘柄の中でも値動きの鈍い銘柄は早めに売っておこうという意向が透けて見えます。できるだけリスクを減らす方向に向かっているようです。

米国の大統領選からこちら、世の中はずいぶんと狭く感じられます。ほとんどのマーケットが同一方向への動きに終始しています。

政権発足の前だけに、閣僚人事の構想が散発的に発表されているだけです。先行きの見通しを立てることがかつてなく難しくなりました。

それだけで十分過ぎるほどの抑止力ですが、今のままでは中国に対して米国は、相当に厳しい条件を突き付けてくると思われます。そして、日本は間接的に影響を受けてしまうでしょう。

国内景気をとっても、来年は大きな変曲点を迎えそうです。既に変化の見え始めている業種も増えています。厳しいのは、自動車と電機セクターです。

これからは、どこで生産するのかがカギとなってきます。人々は「新しい常識」をいくつ持っているかが求められているように思います。日経平均はもう少し値固めの時間が要るのでしょう。

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【初配・復配銘柄に注目
日本証券新聞11月25日(月)紙面1面TOP記事掲載 

会社側の「自信」を示すシグナル

3月期決算企業の上期決算を中心とした決算発表が一巡。業績進捗はもちろんのこと、同時発表した株主還元策が株価にインパクトを与えた銘柄も多かった。

中でも、初配・復配は安定的な利益確保、財務体質を維持する準備が整ったという会社側の自信の表れとも取れる。評価一変の素地を秘める銘柄として、今回の決算発表で初配&今期最高益見通し、または復配&利益回復をアナウンスした銘柄に注目したい。

フィードフォースG(7068・G)は21日、今5月期の配当予想について、中間・期末それぞれ5円の年10円として初配当を実施すると発表。株価はストップ高(80円高の532円)。

足元ではEC(電子商取引)事業支援サービスを行うDX(デジタルトランスフォーメーション)事業の損益改善に一定のめどがつき、通期で営業利益は18億円(前期比45・5%増)と2期連続の最高益更新を見込む。今後は継続的な配当を行うため、株主資本配当率5%以上を目安とする。

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今日の市況概況
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11月22日(金)☆[概況/大引け] 

エヌビディアのコメントとSKハイニックスの321層NANDでデータセンター関連を物色。ペプチドリームは放射線医薬品に期待

大引けの日経平均は257円高の3万8,283円、TOPIXは13ポイント高の2,696ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,116、下落銘柄数は471。出来高は16億8,134万株、売買代金は3兆7,897億円。
米エヌビディアが事業環境について「1兆ドル規模の汎用デンターセンターのアップデートが必要」と述べたことや、韓国SKハイニックスが世界初となる321層のNANA型フラッシュメモリの量産開始を発表したため、データセンターの効率化に寄与すると期待された。
データセンター関連のフジクラが反発した。データセンターで配線が高密度化していることへの対策を受けて、フジクラでは光多芯コネクタの需要が増えている。
データセンター運営のさくらインターネットは大幅高となった。
データセンター向けの光ファイバー収納用の間欠接着リボン「e-Ribbon」を生産しているSWCC(5805)は米キャピタル・リサーチがグループで5.96%保有していることが判明した。

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