11月26日(火)のマーケット
11月25日のNYダウは4日続伸。トランプ次期大統領が財務長官に、ヘッジファンドのキー・スクエア・グループのCEOのスコット・ベッセント氏を指名した。ベッセント氏は関税について、段階的に課していくべきだと発言していたため、トランプ次期政権の貿易・経済政策を穏やかな方向に導くと期待され、長期金利が大幅に低下し、株式に買いが入った。11月8日にダウケミカルに代わり、NYダウに採用されたシャーウィン・ウィリアムズはペンキ会社で、買いが入った。NYダウは前日比440ドル(0.99%)高の44,736ドル。ナスダックは3日続伸。エヌビディアは下落。ソフトバンクと進めるAI-RANプロジェクトはAIと無線アクセスネットワークを融合させるものだが、両社が予想する投資収益率を達成できない可能性があるとブルームバーグは報じた。NASDAQ総合指数は前日比51ポイント(0.27%)高の19,054。S&P500指数は前日比18ポイント(0.30%)高の5,987。
トランプ次期大統領が麻薬流入への対抗で中国とメキシコ、カナダに追加関税を表明。米国の最終製品の値上がりによる消費への悪影響が警戒され日経平均は下落。半導体関連が売られ、イスラエルとヒズボラの停戦合意間近で石油関連も安い。IHIはJAXAの小型ロケット「イプシロンS」が昨年7月に続き2回連続で爆発したため、売られた。三井E&Sは米国で港湾クレーンを8基受注し、今後も中国製クレーンからの置き換え期待で大幅高。
スタンダード市場では、クシムが役員を情報漏洩で辞任勧告したためストップ安。暗号資産関連のインタートレードが下落。経産省がペロブスカイト型太陽電池の導入目標を策定すると報じられ、原料のヨウ素を生産している伊勢化学が買われた。ダイワ通信は夜間警備ロボットを試験導入で上昇。
グロース市場では、クオリプスやGENDA、QPS研が安い。ITインフラのボードルアはプライム市場への変更申請を行うと発表したが、株式売出の発表で下落した。DX支援のコアコンセプトテクノロジーは安値更新。不動産会社のLAは業績予想と配当予想を上方修正し買われた。
チャート上では、長い下ヒゲを伴う陰線。昨日から一転、ギャップダウンで25日移動平均線(3万8666円)、200日移動平均線(3万8607円)を割り込んだ。長い下ヒゲ部分では75日移動平均線(3万8077円)近辺で下げ止まり、かろうじて3万8000円台は維持して底堅さを見せた。
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注目記事 Pick up
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【要警戒!?「28日前後の米国株」】
日本証券新聞11月27日(水)紙面1面TOP記事掲載
経済物理学が波乱接近を示唆…
どんどん広がる日米格差…。「トランプ大統領」再登板が確実となった6日から直近25日までの14日間で、ニューヨークダウは2,514.69ドル高。比率で見た5.95%高を現在の日経平均の水準に当てはめれば2,200円台の上昇に相当するが、実際のところ、同じ期間の日経平均は305.24円高にとどまる(これに続く26日も338.14円安)。トランプ氏の政策は株式フレンドリーとはいえ、あくまでもアメリカファースト。日本経済への恩恵は限られる、などと解説されるが、そもそも足元の米国株自体が少々行き過ぎているのかもしれない。
グローバルな機関投資家の多くがベンチマークとするS&P500で見ても、6日続伸となった25日で前年末比25.52%高。11日の最高値6,001.35まで、あと13.98(0.23%)に肉薄し、これを抜けば、今年52回目の最高値更新となる(2021年は年間70回)。
こうした状況下、大和証券は少し前の20日付レポートで、経済物理モデルを用いた興味深い考察を行っている。経済物理学では市場の動きを市場参加者の『群衆行動』として捉え、群衆行動がバブルを引き起こす過程で資産価格は臨界点へ向かっていくとする。
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今日の市況概況
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11月26日(火)☆[概況/大引け]
トランプ次期大統領が中国、カナダ、メキシコに関税を表明し日経平均は下落
大引けの日経平均は338円安の3万8,442円、TOPIXは26ポイント安の2,689ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は703、下落銘柄数は896。出来高は19億550万株、売買代金は4兆3,369億円。
トランプ次期大統領が中国からのほぼ全ての輸入品に対して追加で10%の関税をかけ、カナダやメキシコには25%の関税を課すと表明した。これらの国から麻薬などの違法薬物や犯罪が流入していることを関税引き上げの理由に挙げている。
中国製品に60%の関税をかけると主張してきたが、それとは別枠となる見込み。
友好国のカナダにも関税を課したことや、関税引き上げに伴い、最終製品が値上がりするため、米国消費に悪影響が及ぶという懸念から、日経平均は売られた。
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