11月29日(金)のマーケット
11月28日の米国株式市場は感謝祭の祝日で休場。
電気・ガス代への政府補助半減で11月の消費者物価が上昇したため、日銀による12月の追加利上げが意識され、円高進行、日経平均は反落。ディスコや東京エレク、さくらインターネットが売られ、日産はムーディーズによる格付け見通しの引き下げが響いた。ユニチカは大幅安。古河電工は大和証券が電線セクター内での選好順位を引き上げた。ワールドは三菱商事傘下の衣料品企業を子会社化することで大幅高。寿スピリッツはGS証券が新規「買い」。
スタンダード市場では、ペロブスカイト太陽電池関連の伊勢化学が好調を継続。ドコモによる買収観測の住信SBIネット銀は続伸。日本パワーファスは8日に発表した大規模自社株買いの効果が続いた。JEHはプライム市場への変更申請で買われた。ポエックやCDG、ホーブが安い。
グロース市場では、ヘッドウォータースが株式分割とBTMとの資本業務提携を発表しストップ高となり、BTMもストップ高。ラストワンマイルは復配で大幅高。25日にプライム市場への変更申請を決議したボードルアが高い。デジタリフトとペルセウスは大幅反落。VRAINは安値更新。
日足チャート上ではわずかに陽線となる十字足。連日でのレンジ相場が続いており、売り買い拮抗がうかがえる。3万8000円割れの場面では買いが入り、75日移動平均線がサポートラインとなった。週足では上下にヒゲを伴う陰線。狭いレンジの中での推移となった。収れんしている13週(3万8334円)・26週移動平均線(3万8456円)を抜けきれずに今週を終えた。月足では2ヵ月ぶりの陰線。4万円を目前に長い上ヒゲを引いており、上値の重さが感じられる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。いよいよ12月相場が始まります。今年の締めくくり、泣いて笑っての1年も大詰めを迎えました。
今週の株式市場の話題は何といってもトランプ次期大統領の関税引き上げの表明です。単にSNSで表明しただけですが、この一言で世界中が翻弄されることになりました。世界はトランプ劇場の舞台上に釘づけです。
しかし、そればかりではありません。日本では石破政権下での臨時国会がいよいよ始まります。今国会の焦点は初の予算審議です。先月の衆院選で自公が過半数を割り込んだため、委員会委員長のかなりのポストを立憲民主党に明け渡しています。法案審議がスムーズに進むかどうか、その点がまったく見通せません。
評判が悪いとはいえ、39兆円規模の総合経済対策が待たれるところですが、成立が遅れる可能性も十分にあります。アメリカ政治がマーケットを揺さぶるケースが多くなるでしょうが、そればかりでなく日本の政治も予断を許さない状況です。
ただし株式市場の動きを見る限り、安心していられるのは、個々の企業の改革力がますます強くなっている点です。ユニチカ(3103)までが変化の兆しを見せています。アクティビストの活躍も一段と激しくなっており、対抗策として日本企業の株主還元策、自己防衛も込めた事業構造改革が急速に進められています。
この動きは決して一過性のものではありません。先行きの動きに大いに期待したいところです。
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注目記事 Pick up
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【師走相場の傾向を探る 年間高=12月高習性に期待】
日本証券新聞12月2日(月)紙面1面TOP記事掲載
荒れるか!?「二日新甫」 日米会合など焦点
昨年までの10年間で日経平均「9勝1敗」の最高勝率月だったはずの11月相場も結局、マイナスで終わった。今年を前後半に分ければ、1~6月の5勝1敗(4月のみ下落)に対し、7~11月は1勝4敗(10月に上昇)と明暗を分けている。週明けからスタートする12月相場で挽回を果たせるのか。過去の傾向などを踏まえて考えてみたい。
まずは過去の12月相場だが、直近20年間の日経平均は14勝6敗とまずまずながら、10年間に限れば5勝5敗と五分の星勘定。これはニューヨークダウで見ても、各13勝7敗、6勝4敗と傾向は似通う。手放しで師走高期待を唱えられる状況ではないようだ。
とはいえ大統領選挙年に限れば、2004年以降5連勝中(ニューヨークダウは08年がマイナスで4勝1敗)。
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今日の市況概況
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11月29日(金)☆[概況/大引け]
物価上昇で日銀追加利上げ観測から円高・株安。古河電工と寿スピリッツは高い
大引けの日経平均は141円安の3万8,208円、TOPIXは6ポイント安の2,680ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は663、下落銘柄数は932。出来高は16億2,460万株、売買代金は3兆5,973億円。
11月の東京都区部コア消費者物価(生鮮食品を除く消費者物価)は前年同月比2.2%上昇となり、10月
の同1.8%上昇から伸び率が拡大した。
電気・ガス代(11月支払い分)に対する政府の補助額が半減したことが影響した。
日銀は12月18日~19日に開催される日銀金融政策決定会合で利上げするのではないかという見方が強まり、円相場は一時1ドル=149円台へと円高が加速した。
日経平均は一時3万8,000円割れ。
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