2月12日(水)のマーケット
2月11日のNYダウは続伸、ナスダックは反落。トランプ大統領が輸入する鉄鋼とアルミに25%の関税を課すと発表したことで、主要3指数は反落して始まったが、NYダウはすぐにもみ合い水準に戻し、終盤に上昇した。ナスダックは一時戻した場面もあったが、再び売られた。パウエルFRB議長が議会証言で、「経済は強さを維持している。政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と発言したことで金利が上昇し、ハイテク株が売られた。アップルは中国電子商取引(EC)大手アリババ・グループと提携し、中国向けiPhoneの人工知能(AI)機能開発と展開を計画していると報じられたことで買われた。テスラは5日続落。パランティア・テクノロジーズとスーパー・マイクロ・コンピューターは反落した。NYダウは前日比123ドル(0.28%)高の44,593ドル。NASDAQ総合指数は前日比70ポイント(0.36%)安の19,643。S&P500指数は前日比2ポイント(0.03%)高の6,068。
鉄鋼とアルミに関税が課されても日本経済への影響は限定的という見方で高寄りしたが、18日には半導体や医薬品への関税も発表される見通しのため伸び悩んだ。フジクラは大幅続伸で、ディープシークショックの下げ幅を埋めた。アドバンテスト、ソフトバンクGが高い。エムスリーは10~12月期が増益で大幅高。古河機械金属は大規模自社株買いの発表で急騰した。一方、東レは10~12月期が営業減益で大幅安。川崎重工とIHIが反落した。
スタンダード市場では、メタプラネットが今期大幅増益計画でストップ高。エスケーエレクは好決算で急伸。西川ゴムは大幅増配を発表しストップ高。かわでんは業績予想を大幅上方修正でストップ高。ワークマンは決算が横ばいで売られた。IGポートは利食い売り。精工技研が安い。
グロース市場では、noteは大幅高が継続。タイミーとテラドローン、アストロスケールが反発。ファンデリーはイオングループ店舗で冷食「旬をすぐに」を販売開始することでストップ高。サンバイオとELEMENTSは反落した。インテグラルとアイビスは決算発表で売られた。
チャート上では、短い上ヒゲと長めの下ヒゲを伴う陰線。高寄りして3万9000円台でのスタートとなったが、上値は重く25日移動平均線(3万9164円)に頭を抑えられる展開が続いている。先ずは3万9000円台での値固めに期待したいところ。
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注目記事 Pick up
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【フジクラが最高値、住電工は急伸 ディープシークショック前の水準を回復】
日本証券新聞2月13日(木)紙面1面TOP記事掲載
AI関連の好調を確認 自動車向けも堅調
トランプ米大統領の関税政策に対する警戒感が相場全体の上値を重くする一方、好業績銘柄に対する投資家の反応はストレートだ。12日はフジクラ(5803・P)、住友電気工業(5802・P)が商いを伴って急騰したほか、引け後に決算発表を控えた古河電気工業(5801・P)も買われた。
電線・光ファイバーセクターは、中国の新興AI企業「DeepSeek(ディープシーク)」による低コストモデルが業界全体に及ぼす影響が読み切れないことと、自動車向けにワイヤーハーネスを供給しておりトランプ政権の関税政策が懸念材料となっていたが、一連の不安材料を好決算がはねのけた。
フジクラは10日後場の取引時間中に決算と通期業績予想の増額、増配を発表し前日比445円高で取引を終えていた。休日明けの12日も一時、同880円(13.1%)高の7,555円まで買われ、1月27、28日の2日間で1,400円近い急落となったディープシークショック前の水準を奪回。さらに1月23日に付けた上場来高値7,482円を更新した。
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今日の市況概況
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2月12日(水)☆[概況/大引け]
フジクラがディープシークショックの下げを取り戻し投資家心理に好影響
大引けの日経平均は162円高の3万8,963円、TOPIXは0.3ポイント高の2,733ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は851、下落銘柄数は743。出来高は24億6,704万株、売買代金は5兆4,101億円。
米国が鉄鋼とアルミの輸入に25%の関税を課したが、日本から米国への鉄鋼製品とアルミニウム輸出はGDPの0.05%のため、日本経済への影響は限定的という見方から、日経平均は高寄りした。
だが、18日に米国は半導体と医薬品に関税を発表する見通しのため、日経平均は伸び悩んだ。
石破首相が鉄鋼とアルミの関税から日本を除外するよう要請すると述べたが、トランプ大統領から断られると、日米首脳会談はひとまず成功というムードが薄れるという見方から、後場の日経平均は一時、前日終値を下回った場面もあった。
こうした中で、フクジラ(5803)が大幅続伸となり、ディープシークショックによる下げを取り戻したことは投資家心理を明るくし、日経平均も上向きとなった。
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