2月14日(金)のマーケット
2月13日の米国株式市場は上昇。トランプ大統領が相互関税を課すと発表したが、ただちに発動するものではなく、調査開始を指示するものだった。商務長官に指名されているラトニック氏は、調査は4月1日までに完了するとの見通しを示した。目先は関税によるインフレ圧力を心配しなくて済むという見方で一段高となった。テスラが上昇。米国国防総省が2025年度に「装甲EV」を調達する方針で、テスラの「サイバートラック」の購入に4億ドル(約610億円)を充てる可能性があると報じられた。「サイバートラック」はピックアップトラックで、防弾機能が特徴で、価格は約8万ドル(約1,200万円)。テスラのマスクCEOは「政府効率化省」の指導者となっているため、「利益相反」と批判されている。エヌビディアは、ヒューレット・パッカード・エンタープライズがエヌビディアの「ブラックウエル」を搭載したシステムの出荷を開始したことが材料視された。アプリ開発のアップラビンは、モバイルゲーム部門の売却と好決算で急騰した。NYダウは前日比342ドル(0.77%)高の44,711ドル。NASDAQ総合指数は前日比295ポイント(1.50%)高の19,945。S&P500指数は前日比63ポイント(1.04%)高の6,115。
米国の相互関税の対象に各種規制などの非関税障壁も含まれることが警戒され日経平均は下落した。トランプ大統領が台湾から半導体産業を取り戻すと語ったため、日本の半導体関連も下落。防衛関連が安い。ソニーGは業績上方修正で買われた。日立は日立レールがサンフランシスコ市営鉄道に列車制御技術を提供で買われた。ライオンは決算が好感され、PKSHAは好決算でストップ高。高砂香料は業績予想と配当予想を大幅に上方修正しストップ高。
スタンダード市場では、AIフュージョンキャピタルが通期業績予想を取り下げたため急落した。コメ兵は通期予想を下方修正し大幅安。サン電子が大幅安。MICは業績予想と配当予想を上方修正しストップ高。ムゲンエステートは好決算で買われた。フォーサイドは今期の業績予想を好感。
グロース市場では、トライアルが上期営業減益で下落。noteはこれまでの反動で2日連続ストップ安。タイミーが反落。プレイドは好決算でストップ高。レントラックスは好決算と株主優待制度の発表で買いが殺到。Amaziaはエンタメ玩具を販売する越境ECサービスでストップ高。
日足チャート上では、上ヒゲを伴う陰線。安値圏での大引けとなり、再び一目均衡表の雲の中に潜りこんだ。上値は抑えられたが、25日移動平均線(3万9106円)の上方で推移し底堅さもうかがわせた。週足では長めの上ヒゲを伴う陽線。引き続き、13週移動平均線と26週移動平均線の間でのレンジ内での値動きとなった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。3月決算企業の決算発表がほぼ一巡しました。狭い世界ですが今回もさまざまなドラマがありました。ひと通り出そろって、決算の特徴をまとめるとすれば、市場は企業に対してよりアグレッシブな内容を求めており、その期待に応えられる企業は思っていたよりも少なかった、ということになるのでしょうか。
そしてそれはアメリカ企業の決算内容の影響が大きいように思います。
米国企業もほぼ同じ時期に決算発表を迎えていました。あれほどの金利上昇に直面してもなお、かなりの数の企業が市場の予想を上回る好業績を打ち出しています。
それと比較して日本企業にもそれなりの結果を出しているのですが、日本は慎重なスタンスが持ち味というべきか、やはり物足りなさを感じてしまいます。
通期の業績を増額修正した企業はいざ知らず、通期見通しを前回の四半期決算並みに据え置きで出してきた企業は容赦なく売られてしまいます。折しもアメリカではトランプ大統領が誕生して、氏の持ち味であるアグレッシブさを世の中全体が求めているせいなのかもしれません。
いずれにしてもここからが勝負です。決算発表の結果を受けて、ここから先は銘柄の選別色が強まっていくはずです。この週末は決算内容の総ざらえといきたいものです。
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注目記事 Pick up
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【ソニーが上場来高値 通期予想を増額修正】
日本証券新聞2月17日(月)紙面1面TOP記事掲載
ゲーム・音楽などエンタメ好調 自社株買い枠は年間3,000億円に
ソニーG(6758・P)が大幅続伸、今月5日に付けた上場来高値を更新した。前日比364円高の3,774円と10%以上上昇する場面があった。
13日に決算を発表、第3四半期(3Q、2024年10~12月)の業績が市場コンセンサスを大きく上回り、通期の業績予想も増額修正され、来期に向け期待が高まった。
金融事業を含めた3Qの売上高は前年同期比18%増の4兆4,096億円、営業利益は同1%増の4,693億円だった。営業利益の市場コンセンサスは4,100億円程度だったことから、ポジティブサプライズとなった。売上高の上振れは金融分野、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)、音楽分野の大幅増収が寄与、営業利益は金融が減益だったが、G&NS、音楽分野がけん引した。
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今日の市況概況
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2月14日(金)☆[概況/大引け]
非関税障壁も対象を警戒。台湾半導体空洞化の連想で防衛関連も安い
大引けの日経平均は312円安の3万9,149円、TOPIXは6ポイント安の2,759ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は474、下落銘柄数は1,116。出来高は20億3,450万株、売買代金は4兆9,570億円。
米国による相互関税は即時実施されなかったが、各種規制などの非関税障壁も判断材料とされたため、日本も関税を掛けられると警戒された。
加えて、トランプ大統領は「台湾が米国から半導体産業を奪っている」と主張し、米国に取り戻すと語ったため、台湾市場でTSMCが値下がりし、日本では東京エレクトロンとアドバンテストが安い。
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