4月18日(金)のマーケット
4月17日のNYダウとナスダックは3日続落。S&P500は小反発。医療保険のユナイテッドヘルスは第1四半期決算がアナリスト予想を下回り、通期予想を下方修正したため22%安と急落したNYダウ採用銘柄で上昇したのは20銘柄で、下落した9銘柄よりも多かったが、ユナイテッドヘルスが1銘柄でNYダウを804ドル押し下げた計算になる。トランプ大統領がFRBはとっくの昔に金利を下げるべきだったと述べ、パウエルFRB議長は常に遅過ぎ、間違える。解任は早ければ早いほど良いと投稿した。イーライリリーは肥満症治療薬「オルフォグリプロン」が、臨床第3相試験で、主要な有効性目標を達成したと発表した。初の経口糖尿病・肥満症治療薬として承認される可能性が示されたことで買われた。NYダウは前日比527ドル(1.33%)安の39,142ドル。NASDAQ総合指数は前日比20ポイント(0.13%)安の16,286。S&P500指数は前日比7ポイント(0.13%)高の5,282。
米国株からの資金シフトへの期待で日経平均は続伸。住友ファーマは2日連続ストップ高。中外製薬は導出先の米イーライリリーの肥満症治療薬の臨床試験結果を受け急騰した。フジメディアが株主提案を真摯に検討すると発表し、他の放送局もそろって買われた。トランプ政権による中国籍船舶への入港料で、代替需要への期待から邦船各社が買われた。良品計画は大和証券がMSCI指数への採用を予想。M&A総研が買われた。半導体関連は安い。
スタンダード市場では、邦船需要への連想で名村造船が買われた。インタートレードは量子コンピューター時代に向け、高機能暗号技術力を持つ企業を持ち分法適用関連会社化したことで買われた。製造派遣・請負のnmsが大幅高。AIメカテックは調整が継続。システム開発のエヌアイデイが年初来安値。
グロース市場では、サンバイオやGNI、セルシードといったバイオ関連が大幅高。サイバーセキュリティのZenmuTechが上昇トレンドを継続。株主優待導入のリグアは2日連続ストップ高。ABEJAはAIモデルが高性能で大幅続伸。Aiロボティクスとグロービングは続落。
日足チャート上では短い下ヒゲを伴う陽線。昨日同様に連日でほぼ高値引けとなるローソク足となった。4月10日の大陽線の高値を上抜き、4月3日~4日にかけて空けた窓埋めの水準まで回復を見せた。5日移動平均線上での推移となり、上方から降りてくる25日移動平均線が視界に入って来た。週足では下ヒゲを伴う陽線。ローソク足はほぼ高値引けとなる形状で、先週の長い下ヒゲが大底を示唆する格好となった。来週以降の反騰に期待を持たせる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。先週の激しい動きとは違って、今週の株式市場はまだ幾分かは穏やかな動きになりました。「相互関税」が上乗せされるまったく新しい世界に直面して、マーケットは神経質な動きを続けていますが、しかしそれも少しずつ慣れてきたという印象です。
何よりも特筆すべきは企業サイドのアクションです。関税というコストが上乗せされる時代に直面して、早くもそれに適応しようとしています。
一例を挙げればホンダ(7267)です。ホンダが米国での生産を増やすべく工場再編の動きを打ち出してきました。まだ報道ベースですが、ホンダは今後2~3年をかけてアメリカでの生産を増やす方針です。
ホンダは現在、アメリカで140万台販売しており、そのうちの100万台はすでにアメリカで生産しています。「米国第一主義」という観点ではかなり進んだ生産体制を持っていますが、残りの40万~50万台はカナダからアメリカに輸出しています。このカナダでの生産分を2~3年後にはアメリカでの生産に切り替えていくという方針を打ち出しました。
これによってホンダのアメリカでの生産比率は9割に達します。市場の変化や規制の強化など、新しい枠組みに対して機敏に体制を変更するホンダの革新的な遺伝子がそうさせたのでしょう。
企業は生き物です。環境の変化に合わせてすばやく適応しようと形を変えます。トヨタ(7203)はトヨタで、日産(7201)は日産で、また別の解を打ち出してくるはずです。文句や泣き言を言っているヒマはありません。次の手を打ってきたところに安心した投資マネーは戻ってくるはずです。
大波はこれから何度も訪れるでしょうが、日本の企業は独自で道を切り拓くはずです。ここからの押し目は買いのチャンスととらえるべきです。
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注目記事 Pick up
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【資本市場の「枠外」にも恩恵波及の仕組み】
日本証券新聞4月21日(月)紙面1面TOP記事掲載
SBIレオスひふみ 藤野英人社長
金融の恩恵を隅々に届けたいという思いを込め「ファイナンシャル・インクルージョン」――を合言葉に事業展開するSBIレオスひふみ(165A・G)。
新たな取り組みとして、寄付のプラットフォームを運営する子会社Kiffy(キッフィー)を3月10日に設立した。社名は「寄付(Kifu)」に接続後「―fy(~を〇〇化する)」を組み合わせた造語。
続いて4月17日にはKiffyが、株式会社SOLIOから寄付者と非営利法人をつなぐ寄付プラットフォーム「solio」を譲り受けたと発表した。solioに登録すると、まちづくり、環境、教育など全12の社会課題から支援したいものに、任意の金額を毎月寄付できるようになる。
solioはこれまで1,600万円近い寄付を30弱のNPOにつなげてきた。寄付金の10%から収納代行費を除いた額を得る収益モデル。寄付先は、認定法人、公益財団法人、公益社団法人の中から審査委員会で選定する。
17日開催のメディア向け説明会でSBIレオスひふみの藤野英人会長兼社長は、「これまで投資信託を通じて資本市場の枠内で事業を行ってきたが、資本市場の恩恵を受けられない人もいる。努力していない、怠け者と切り捨てられがちだが、様々な“ボタンの掛け違い”で苦しい思いをしている人が大勢いる。私たちは資本市場の枠外にいる人も資本主義の恩恵を受けられるような世界にしたい」「毎月積み立てで月々2、3万円投資する人がその1%の200円でも300円でも寄付すると、一つ一つは小さくても合わせると大きな金額になる。solioを通じてNGO(非政府組織)やNPO(非営利組織)にお金が流れることによってベースが増え、社会が発展し豊かになると本気で思っている」と語った。
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今日の市況概況
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4月18日(金)☆[概況/大引け]
トランプ政権の政策が矛盾しているため、米国からの資金シフトに期待
大引けの日経平均は352円高の3万4,730円、TOPIXは28ポイント高の2,559ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,498、下落銘柄数は120。出来高は14億7,621万株、売買代金は3兆3,015億円。
4月2週(4月7日~11日)に外国人投資家は先物も合わせると3週連続の売り越しだったが、現物株では2週連続の買い越しだった。
トランプ政権の政策が矛盾しているため、米国からの資金シフトに期待する見方がある。
トランプ氏は選挙期間中に「掘って、掘って、掘りまくれ」と叫んでいたが、政権発足後は原油価格が下落したため、米国内の石油生産は減少傾向にある。
バイデン政権が引き起こしたインフレを低下させると公約したが、関税の引き上げと移民の送還は物価上昇要因となる。長期金利も上昇した。
教育省の解体と命令に従わない大学への助成金の打ち切りは、潜在成長率の低下につながる可能性がある。
18日の日経平均は続伸となった。
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