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コラム2020年5月8日

【緊急開設 新型コロナウイルス関連ページ】製薬業界への影響シナリオ分析

xenoBrainによるAI解析

経済の未来をスコア化するSaaS型AIサービスを展開しているxenodata lab(ゼノデータ・ラボ)社。 

AI解析ツールの【xenoBrain】で膨大なデータから企業業績や需要動向、素材価格の将来動向についてAIが総合的に評価したスコアを生成。より高度な意思決定のサポートとなるツールを提供しております。

今回、【xenoBrain】を利用して「新型コロナウイルスの国内上場企業への影響予測」を行いました。

新型コロナウイルスの感染拡大による業界別影響度ランキングを見てみると、経済規模で見たネガティブインパクト上位業界には、自動車、商社・卸売、エネルギー、自動車部品、公共サービスが並んだ。データを読み解くと、自動車需要が急落 することで、自動車部品企業やをそれらを取り扱う総合・専門商社の業績インパクト が甚大になり、また、自動車需要を含む多くの工場稼働減少により電力需要が減少し、 電力会社、及び、それを取り扱う商社やエネルギー業界での市場需要に大きなインパ クトがあると予測が出ている。外食や観光、イベント業界が上位に来ない理由は、市 場規模が大きくないこと、及び、短期的な影響だけでなく、向こう1年程度の業績影響 を予測しているため多くの業界でスコアが大きくなったと読み取れる。 自動車、エネルギー関連以外のところでは、不動産業界が上位であり、テレワーク 進展によりオフィス需要の低迷予測が大きく影響している。またオフィスだけでなく、 医療系を除く様々な建築物の需要が急落することで中期的には建設業界も影響が大き いと予測される。
また、ポジティブインパクトの上位業界には、製薬、ドラッグストア、医療などは 多岐に渡る品目が全般的に需要が伸びると予測されたことで上位を占めた。また、 スーパーや加工食品など、外食向けではなく一般消費者向けに販売のある企業が医療 関連の次に上位を占める結果となった。また、Eコマース需要の増加により、段ボール などの包装関連需要、医療品需要増加により専門的な医療向け包装需要の増加により、 製紙・パルプ業界が上位にランクインした。

※『業界別影響度ランキング – 経済規模調整 – 』のランキング集計方法

業界所属企業に発生しうるシナリオをスコア評価し、それらのスコアを企業の直近通期売上高ベースで規模の按分計算を行い、その数値を業界ごとに集計して算出。スコアの大きさは、実際に発生しうると予測される、損失(利益)金額の大きさを示し、業界の市場規模に依存するスコアになります。(例えば、自動車業界の市場規模と雑貨品のように市場規模が大きく異なる場合、それぞれ同一スコアであった場合でも社会へ及ぼす影響金額は異なることが想定されるので、それを規模に按分する形で補正しているという意味合いになります。)また、短期的な影響だけではなく、1年以内での業績影響を総合的に判断したスコアになっております。幅広い業界企業と関わりがある方が経済影響規模を踏まえたアクションを取るときの指針としてご利用できます。

今回は、ポジティブインパクトの業界に焦点をあて、AI予測レポートを見てみる。

【xenoBrain】では、CLASS 4 経済影響規模大として、製薬、スーパー・コンビニ、食料・飲料、通信インフラ、ドラッグストア・薬局、等10業界を挙げている。第1回目の今回は、製薬業界をピックアップした。

 

業界別に見る新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスの製薬業界への影響シナリオ *出所: 

製薬業界への影響シナリオ分析

解説

新型コロナウイルスへの抗ウイルス薬・ワクチンの開発だけでなく、新型コロナウイルス診断キットや一般医薬品、臨床実験で必要とされる関連製品の需要が急伸していることから、製薬各社に増益影響が示唆されている。

製薬業界に影響する主なトピック例

1 日本消毒液需要増加

2 日本医薬品需要増加

製薬業界の企業別影響予測ランキング

増益可能性 上位20社

集計:2020/4/12時点

 

新型コロナウイルスの製薬業界への影響 最新ニュース

新型コロナウイルスの業界への影響を記載した、業界専門誌の考察記事や主要経済誌のニュースをピックアップしています。

2020/04/10

■中外製薬が、抗体医薬「アクテムラ」を国内第3相臨床試験(P3)を開始と発表。
■アクテムラは関節リウマチ治療薬として使われるが、重篤化した患者で生じる過剰な免疫反応改善報告。
■スイス・ロシュグループもアクテムラを米国、カナダ、欧州などで、第3相臨床試験実施を決定。

2020/04/10

■島津製作所は10日、検査時間を大幅短縮できる試薬を20日に発売すると発表。
■のどや鼻の粘膜に含まれるウイルス遺伝子を増やして調べるPCR法で使う。
■検査にかかる人手を減らせて人為的なミスも防げる。価格は100検体分で税抜き22.5万円。

2020/03/23

■キョーリン製薬ホールディングスは、傘下の杏林製薬が開発した検出試薬を4月中旬ごろに発売と発表。
■遺伝子検出装置と組み合わせて検査で、ウイルスを15分程度検出。
■現在4~6時間程度かかっており、大幅な短縮が期待。

2020/03/20

■世界の製薬大手各社で構成する国際製薬団体連合会(IFPMA)はワクチンの共同開発で連携と発表。
■ワクチンの共同開発、治療法の確立、検査体制の充実、量産体制へ生産能力を共有へ。
■現時点で新薬や既存薬の80件以上の臨床試験が進行中。少なくとも9社が共同研究中。