まぐまぐ(4059)が9月24日、JASDAQに新規上場する。

コンテンツ配信を行うプラットフォーム事業と、ジャンルに特化したWebメディアコンテンツを運営するメディア広告事業を展開している。親会社は航空券予約サイトのエアトリ(6191)。事業の柱であるメールマガジン配信プラットフォーム「まぐまぐ!」は、今年7月末現在で約6,500誌の発行総数と、約750万人の会員数を有する。1999年の創業から20年以上にわたり、メルマガの大量配信を安定的に行う仕組みを提供してきた。

基幹サービスである有料メルマガサービスでは、クリエイターが発行・執筆したメルマガを読者が購読すると、サービス対価として毎月継続的に購読料が課金される。同社はその購読料をクリエイターと分配し、収益を得ている。イニシャルコスト、ランニングコストの負担がないこと、読者獲得のためのサポート体制が充実していることから、クリエイターにとっての参入障壁が比較的低い。

無料メルマガサービスは、無料メルマガの発行を行うクリエイターに付加サービスを提供することでサービス課金収益を得ている。このほか、スマートフォンアプリやWeb上で映像・音声をリアルタイムに配信できる「まぐまぐ!Live」、最小単位の作品を読者にいち早く届ける記事販売プラットフォーム「mine」なども提供している。

メディア広告事業では、自社が運営するWebメディアの広告枠を販売。顧客企業から支払われる掲載料を広告収入として得ている。Webメディアにクリエイターの記事を掲載することで有料メルマガサービスへの送客が可能になるなど、「まぐまぐ!」を補完する役割もある。

2020年9月期業績は、売上高6億6,800万円(前期比6.4%減)、営業利益1億4,300万円(同30.1%減)を見通す。これに対する第3四半期の進捗率は、それぞれ77%、86%と順調だ。コロナ長期化の影響や、Webメディアの運営体制の整備を目的とした人件費の増加を織り込んでいる。

主力の「まぐまぐ!」は、会員獲得施策を強化した成果に加えて、外出自粛を背景としたオンライン関連サービスの需要増が追い風となり、足元で有料会員数の増加が続いている。

一方、メディア広告はコロナ禍で企業の広告出稿が減少しており、広告単価の低下や、受注機会の減少、リード長期化などの影響を受けている。インサイドセールス強化への取り組み、顧客管理システムの活用の見直しによる最適化・効率化を図る。

●事業内容=コンテンツ配信プラットフォームの運営を行うプラットフォーム事業、Webメディアの運営などを行うメディア広告事業、クリエイター活動の支援などを行うその他事業
●本社=東京都品川区西五反dな3-12-14 西五反田プレイス8階
●代表者=松田誉史代表取締役社長
●設立=1999年1月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=273万株(上場時)
●筆頭株主=エアトリ(上場前85.99%)
●公募株式数=53万株
●売出株式数=12万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が3万株)
●仮条件=9月3日に決定
●ブックビル期間=9月7日から11日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、みずほ、SMBC日興、東海東京、エース、岩井コスモ、水戸、岡三、マネックス、エイチ・エス、極東