イタミアート(168A)が4月8日、グロースに新規上場する。
OOH(アウト・オブ・ホーム=交通広告、屋外広告)広告の代表的な媒体であるのぼり旗、幕、看板といったオリジナル大型セールスプロモーション商材(SP商材)の製造・販売を行っている。インターネットを通じて、商品企画、サイト構築、集客、販売、制作、出荷の前工程を自社で行うD2C(製造直販)ビジネスモデルであり、これにより安定した品質、短納期、低価格販売を実現している。
BtoB向けEC(電子商取引)サイト「キングシリーズ」など全18サイトを運営。マーケティング施策は専門部署が行っており、特にSEO対策とWeb広告に注力している。さらに、独自のCRM(顧客情報管理)を活用して、ターゲット、配信タイミング、配信内容にこだわったメールマガジンやダイレクトメールの発送を行っている。これらマーケティング施策やシステム化された受注処理など、これまでに培った専門ECサイト運営のノウハウを横展開することで売り上げの拡大を図っている。
CRM以外にも、ECサイト構築システム「DREAM―PACK」、製造管理システム「i―backyard」をはじめとした自社開発システムで業務フローを効率化している点が特徴。これらのシステムによって顧客が入稿した印刷用データのチェックから制作指示書の作成、発送状況のリアルタイム連携などを行い、人的ミスを未然に防止する体制を整えている。
製造設備は最新のオンデマンド印刷機の導入による高速印刷で製造キャパシティの拡大を図り、製造工程の断裁や縫製作業といった技術が必要な作業を機械化、自動化している。これにより安定的な製造とオペレーションコストの低減を行い、小ロット・多品種生産に対応すると同時に、顧客の多様なニーズに対応できる。
なお、継続的に大口注文がある顧客については、営業担当を配置し卸価格を設定して対応。材料原価の低減交渉やオペレーション業務のシステム化、効率化による人件費の抑制により、価格や納期面においても十分な競争力を持って販売が可能となっている。2023年1月期の売り上げ構成比はEC販売69%、卸売販売31%。(SS)
概要
●事業内容=BtoB向けECサイト「キングシリーズ」などを通じたオリジナル大型セールスプロモーション商材の企画・制作・販売
●本社=岡山市南区新保660-15
●代表者=伊丹一晃代表取締役社長
●設立=1999年2月
●上場前資本金=1億5,050万円
●発行済み株式数=147万株(上場時)
●筆頭株主=イタミホールディングス(上場前48.78%)
●公募株式数=42万株
●売出株式数=15万株(オーバーアロットメントで8万5,500株)
●仮条件=3月18日に決定
●ブックビル期間=3月21日から27日まで
●引受証券=東海東京(主幹事)、楽天、東洋、マネックス、あかつき
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.1 | 2,506 | 127 | 87.45 | ― |
2024.1 | 3,112 | 221 | 145.90 | ― |
2025.1(予) | 3,509 | 240 | 119.91 | 20 |
※単位100万円、1株利益・配当は円、24年1月期は見込み |