インテグラル(5842)が9月20日、グロース市場に上場する。同社は国内の上場企業・未公開企業などを対象とした独立系プライベート・エクイティ投資会社として、2007年9月に創業した。自己資金・ファンド資金の両方を用いた独自のハイブリッド投資により、長期的視野に立ったエクイティ投資を行うことが特徴。
主な事業としては未公開株式会社への投資を目的とする「投資事業有限責任組合」および「リミテッド・パートナーシップ(LP)」などの組成、運用を手掛ける。運営するファンドは、投資事業有限責任組合契約法および外国法制に基づくプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)で、PEファンドを通じて対象企業への投資を実行する。PEファンドのゼネラル・パートナー(GP)として管理運用を行い、管理報酬を得るとともに、投資先企業への経営支援などで企業価値を高め、株式上場やトレードセールなどの出口戦略によってキャピタルゲインを得ている。その中で保有株式価値を増大させることによって、AUM(運用資産残高)を中長期的に拡大させて収益成長率を上昇させること、投資利益の実現によって受け取るキャリードインタレストの最大化を図っていくことなどを目指している。
グループの特徴は経営をコントロールできる形で中堅企業(年商10億円以上1,000億円未満)への投資に特化している点。さらに、プリンシパル投資とファンド投資を並行して行うハイブリッド投資を行っていることなどが挙げられる。これは主にLPから集めてきたファンド資金によるファンド経由の投資(ファンド投資)に加え、グループの自己資金による投資(プリンシパル投資)も並行して実行する手法。日本の企業経営者は、PEファンドを短期投資とみて関わりを持ちたがらない傾向があるが、これにより、投資先企業の経営者、起業家などに、長期のコミットメントを示すことができるという。
合理的な業績予想が困難であるとして通期の見込み公表していないが、23年12月期第2四半期(1~6月)実績は収益が63億9,700万円、営業利益が50億8,900万円だった。(M)
概要
●事業内容=エクイティ投資、エクイティ投資に付随する経営および財務に関するコンサルティング
●本社=東京都千代田区丸の内1-9-2
●代表者=山本礼二郎代表取締役パートナー
●設立=2006年1月
●上場前資本金=10億7,775万円
●発行済み株式数=3,430万株(上場時)
●筆頭株主=佐山展生(上場前35.64%)
●公募株式数=520万株
●売出株式数=230万株(ほかにオーバーアロットメントで112万5,000株)
●仮条件=9月4日に決定
●ブックビル期間=9月5日から8日まで
●引受証券=大和、野村(共同主幹事)、BofA、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ、SMBC日興、岩井コスモ、松井、マネックス、岡三、楽天、SBI、東海東京
業績推移(連結)
収益 | 営業利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.12 | 3,863 | 1,767 | 44.04 | ― |
2022.12 | 5,435 | 3,000 | 74.52 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 | ||||
※2023年12月期の予想はなし |