インバウンドプラットフォーム(5587)が8月30日、グロースに新規上場する。

エアトリ(6191・P)子会社で、Wi―Fi事業、ライフメディアテック事業、キャンピングカー事業の3つの事業を展開。Wi―Fiレンタルサービスは国内法人向け、欧米からの訪日旅行客、海外渡航向けに提供している。法人向けは競合が多数存在するが、訪日外国人向けを想定して多言語でのWebサイトとカスタマーサポート体制を構築し、ブランドが認知されている事業者は多くない。

ライフメディアテック事業では、在留外国人が必要なサービスをWeb上で多言語で紹介し、所属コンシェルジュが導入までの案内をサポートする。主には不動産情報・賃貸仲介サービスをはじめ、空港送迎サービスや通信環境、医療機関の取り次ぎなど。提携企業から広告料(掲載型・成果報酬型)や取次手数料を収受している。

キャンピングカー事業はアウトバウンド(米国でキャンピングカーを借りる人への予約手配)と国内レンタカー(訪日外国人・日本人向けの貸し出し)を展開。日本国内で計18台のキャンピングカーを保有する。

コロナ禍にあった前9月期は、事業対象を国内リモートワーク用のWi―Fiレンタルや出国外国人向けのPCR検査に関する情報提供や取り次ぎなどに拡大したことにより、訪日外国人者数による影響を補った。今期業績は売上高20億6,700万円(前期比18.5%減)、営業利益3億800万円(同35.7%増)を計画。

Wi―Fi事業は端末にかかわる通信費、減価償却費等の固定費の割合が高いため、稼働端末台数の向上が売上高と利益の向上に直結する。なお、前提として、今期の訪日旅行客向けWi―Fiレンタル売上高は、訪日外国人のうち同社のWi―Fi端末をレンタルした割合の過去実績(2022年4月～23年1月)より低く見積もった数値を乗じた値を今期の契約台数とし、そこに直近のインバウンド需要を鑑みてコロナ前の契約単価を基準に、同社で予測した契約単価を乗じて算出している。(SS)

●事業内容=訪日旅行事業(国内・海外用のWi-Fiレンタル、Webメディア運営、在留外国人向け生活関連サービス、キャンピングカーレンタルなど)
●本社=東京都港区新橋6-14-5
●代表者=王伸代表取締役社長
●設立=2015年10月
●上場前資本金=1億2,131万円
●発行済み株式数=337万6,000株(上場時)
●筆頭株主=エアトリ(上場前85.43%)
●公募株式数=24万9,600株
●売出株式数=56万6,400株(ほかにオーバーアロットメントで12万2,400株)
●仮条件=8月10日に決定
●ブックビル期間=8月15日から21日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、みずほ、SMBC日興、岩井コスモ、岡三、東海東京、水戸、マネックス、楽天