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IPO2022年3月30日

新規上場紹介 インフォメティス 独自AIで電力効率化サービス

インフォメティス(5030)が4月25日、グロースに新規上場する。

ソニーの電力ICT関連事業がカーブアウト。エネルギーとAIを掛け合わせてエネルギーデータのエコシステムを生み出し、電力利用効率を最適化する「エナジー・インフォマティクス事業」を提供する。

電力センサーなどから得られるエネルギーデータをIoTデータプラットフォームに収集。独自のAIで解析し、エネルギー最適化、脱炭素に貢献するデータに加工する。それらを各種アプリケーションで可視化して、SaaSで提供するIoTデータプラットフォームを運営している。

具体的なサービスは最も電気料金が安くなるように蓄電池、エアコン、ヒートポンプなどの運転をAIで自動最適化する「遠隔制御サービス」、家電の種別、動作時刻やモードなどの解析、発電、需要予測などの「データ提供サービス」、これらのデータをアプリで可視化する「アプリ提供サービス」からなる。

収益モデルは電力センサーの機器代金やプラットフォームの初期設定費用などの一時的収益と、プラットフォーム月額利用料、アプリ利用料、運用保守料など累積・継続的な収益の組み合わせ。プラットフォームの登録者は2021年12月末時点で5万2,440件(前年同月比2.1倍)と順調に伸びており、解約率はほぼ0%。また、大和ハウス工業(1925)のグループ会社、大和リビングの管理物件にアプリが標準採用されるなど販売基盤も整っている。

AIはエネルギーデータ解析に特化した独自のもの。国内外で特許取得済みの予測推定モデリングにより、予測精度を改善し、最適化制御している。

連結子会社のインフォメティスヨーロッパは、AI研究が盛んなイギリス・ケンブリッジに設立された技術開発拠点。ここを起点に欧州圏での本格的な事業展開の準備を進めている。

2022年3月期の業績は売上高7億4,400万円(前期比31.5%増)、営業損益1億4,600万円の赤字(前期は3億4,700万円の赤字)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=エナジー・インフォマティクス事業(独自の電力センサーの開発・販売、データマイニング、エネルギーデータなどを利活用するための独自IoT、データプラットフォームおよびアプリケーションの提供、並びにエネルギーデータなどを利活用した新サービスの創出)
●本社=東京都港区芝5-5-1
●代表者=只野太郎代表取締役
●設立=2013年4月
●上場前資本金=3億6,355万4,000円
●発行済み株式数=487万9,720株(上場時)
●筆頭株主=ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合(上場前77.05%)
●公募株式数=104万株
●売出株式数=269万5,400株(ほかにオーバーアロットメントで56万300株)
●仮条件=4月6日に決定
●ブックビル期間=4月8日から14日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SBI、楽天、東海東京、いちよし、岩井コスモ、東洋、松井、マネックス

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2020.3 309 ▼346
2021.3 565 ▼322
2022.3(予) 744 ▼170
※単位100万円、1株利益は円 、▼は損失

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