エコナビスタ(5585)が7月26日、グロースに新規上場する。
各種センサーを活用した高齢者施設向けSaaS型見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」と、ここで培ったノウハウを在宅介護・一般家庭向けに最適化した「ライフリズムナビ+HOME」が主なサービス。クラウドに蓄積された睡眠・生活習慣のビッグデータをAI解析や専門医療機関との連携によって可視化し、予防医学で体調の急変や事故を未然に防ぐ。
サービスの中核を担う自己成長型睡眠センサー「ライフリズムナビSleepSensor」は自社開発製品であり、メーカーの顔も持つ。データサイエンス領域ではソフトウエアのみ手掛ける企業が多い中、ソフトとハードの両方を一貫して開発するスタイルは、センサーの計測速度や安定性を高めつつ、スピーディーに実装可能となる競争優位性の高い要素となる。
センサー機器は施設事業者のニーズに合わせた柔軟な組み合わせが可能。室内状況をリアルタイムで表示し、異常時はアラートで通知される。さらに国内大手6社の介護記録システムとAPI連携しており、各種データが自動で記録される。これまで施設スタッフが手入力をしていた作業が自動化され、業務効率化に寄与する。
なお、「ライフリズムナビ+Dr.」で使われるセンサーは、従来クラウドAIを運用していたが、新たにセンサー上にエッジAIを搭載した「ライフリズムナビSleepSensor」を昨年3月にリリース。クラウド上とハード上、2つのAIが連携し相互に自己学習を繰り返すデュアルAI化を実現した。
前10月期時点の「ライフリズムナビ+Dr.」累計導入床数は5101床。今後、高齢者施設を対象としたシェア拡大に注力し、短・中期で2万台突破を目標に掲げる。また、「ライフリズムナビ+HOME」は地域包括ケアシステムの枠組みの中で中・長期的に販売を拡大しつつ、さらに睡眠を軸とした新製品・サービスの投入も行うことで収益の拡大を目指す方針。(SS)
概要
●事業内容=睡眠解析技術を通じた健康状態推移予測AIの開発と、開発したAIを実装した「ライフリズムナビ+Dr.」サービスなど、社会課題解決型ソリューションの提供
●本社=東京都千代田区紀尾井町3-1
●代表者=渡邉君人代表取締役社長
●設立=2009年11月
●上場前資本金=4億1,632万3,000円
●発行済み株式数=577万6,630株(上場時)
●筆頭株主=ココアアセット(上場前46.47%)
●公募株式数=100万株
●売出株式数=110万株(ほかにオーバーアロットメントで31万5,000株)
●仮条件=7月5日に決定
●ブックビル期間=7月7日から13日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、野村、SBI、マネックス、松井、楽天
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.10 | 535 | 134 | 29.28 | ― |
2022.10 | 893 | 304 | 42.75 | ― |
2023.10(予) | 1,065 | 375 | 51.54 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |