TOP  NSJアップデート  IPO  新規上場紹介 エブレン 6月29日 JASDAQ 産業用電子機器などを設計・製造 半導体製造装置向けの比重大
IPO2020年6月1日

新規上場紹介 エブレン 6月29日 JASDAQ 産業用電子機器などを設計・製造 半導体製造装置向けの比重大

エブレン(6599)が6月29日、JASDAQに新規上場する。

産業用電子機器・産業用コンピュータの設計・製造・販売を行っている。同社と中国・蘇州市の現地法人(2002年に設立)でグループを構成している。

産業用コンピュータに使用されるバックブレーンの開発・製造をコアとして事業を拡大してきた。バックブレーンとは、CPU(中央演算処理装置)ボードなど回路基板間のすべての信号を統合し、コンピュータとしての基本機能を実現するためのハードウエア。また、システムラックやコンピュータシャーシ(ボードコンピュータを挿入して使用する箱)およびボードコンピュータ(CPUボードなど)を含むその他周辺機器の開発・製造・販売を手掛けている。

販売する製品(主な適用機器)を5つの応用分野に分けて管理している。

①通信機器=基地局通信装置、ブロードバンド関連装置(光ネットワーク関連装置)、放送映像装置、電力関連、プラントなど。

②電子応用装置=医療機器(CTスキャナー、MRI、超音波診断装置など)、HPC(スーパーコンピュータ)、サーバーなど。

③電気計測器=半導体製造装置、半導体・IC測定器、FA機器、ロボットなど

④交通関連装置=高度道路交通システム関連装置(ITS)、列車搭載装置、車両・船舶・航空機搭載装置、航空管制装置など。

⑤防衛・その他=軍用車両・船舶航空機等搭載装置、監視カメラシステム、組立機械・装置など。

このうち、③電気計測器分野の売上高構成比が高い(2020年3月期は49.1%)。中心となる半導体製造装置については、韓国サムスン社が20年1月に発表した1兆7,000億円規模の投資や、台湾でもNANDメモリー用に大規模な設備投資が計画されている。同社の半導体装置向けの売上高は21年3月期に11億円(前期比26%増)を見込んでいる。電気計測器分野全体の3月単月の受注は20年3月期中で最高となり、期末で約5億7,000万円の受注残がある。今後の受注も安定的に推移すると予測している。電気計測器分野の21年3月期の売上高は18億1,400万円(同15.9%増)を見込む。同社グループの顧客上位10社の中には、半導体製造装置5社、検査機器1社が入っている。

ほかの分野では、①通信機器が電力機器向けを中心に複数の新規案件の量産を計画し、売上高5億2,600万円(前期比7.2%増)を見込むが、それ以外の3分野は前期に比べて売上高減少を予想している。

この結果、21年3月期の業績は売上高33億7,400万円(前期比6.0%増)、営業利益3億3,700万円(同19.1%増)、経常利益3億1,400万円(同3.5%増)の予想。配当は年18円(前期は15円)を予定している。

産業用電子機器の設計・製造分野において、最高のソリューションを提供し続けることのできる「ブレイン(頭脳)」でありたいとの願いで事業を拡大してい。社名は、Electronics BRAINsから取った。

概要

●事業内容=産業用電子機器・工業用コンピューターの設計・製造・販売
●本社=東京都八王子市石川町2970番地6
●代表者=上村正人代表取締役社長
●設立=1973年10月
●上場前資本金=1億4,301万円
●発行済み株式数=153万6,000株(上場時)
●筆頭株主=上村正人(上場前46.93%)
●公募株式数=14万2,900株
●売出株式数=12万7,000株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が4万400株)
●仮条件=6月9日に決定
●ブックビル期間=6月11日から17日まで
●引受証券=野村(主幹事)、いちよし、マネックス

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2019.3 3,309 388 185.75 10
2020.3 3,183 303 146.66 15
(予)2021.3 3,374 314 140.41 18
※単位100万円、1株利益、配当は円

関連記事