エージェント・インシュアランス・グループ(5836)が12月22日、名証メインに新規上場する。
連結子会社2社とともに個人、法人に向けた損害保険、生命保険を販売する。経営環境の変化で存続が厳しくなった保険代理店を積極的に受け入れ、保有契約を一括して引き継ぐ「事業承継ビジネス」で営業規模を広げている。全国に20拠点を構えるほか、海外では米国に3拠点を持ち日系企業や駐在員を主な顧客に事業を展開している。
2016年に改正保険業法が施行され、顧客の情報管理など保険代理店の体制整備が厳格化。水準を満たせなくなった中小の保険代理店をパートナー社員などとして受け入れ、保有マーケットの拡大につなげている。
事業は年間契約更新料をベースに安定的に収益を得られる損害保険中心のストック型ビジネスが基盤で、生命保険のクロスセルを行うことで事業規模を拡大している。国内事業では損害保険による販売手数料が全体収入の7割を占める。10月時点で保険代理店契約を結ぶ保険会社は損害保険が東京海上日動火災、セコムなど10社、生命保険が住友生命、日本生命など27社に上る。住友生命は上場前株式の半数近い44.84%を持つ筆頭株主となっている。
業績は順調で、前21年12月期はコロナ禍で対面営業が制限される中、メールやWEBの活用による保険の非対面募集を推進。営業収益は前々期比19.5%増の29億500万円、経常利益は同19.7%増の2億1,900万円となった。今22年12月期は前期比13.7%増収、同2.4%経常減益を見込んでいる。(YY)
概要
●事業内容=個人および法人向けの保険代理業
●本社=東京都新宿区市谷本村町3-29
●代表者=一戸敏代表取締役社長
●設立=2001年6月
●上場前資本金=2億3,126万4,000円
●発行済み株式数=231万6,000株(上場時)
●筆頭株主=住友生命保険相互会社(上場前44.84%)
●公募株式数=35万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで5万2,500株
●仮条件=12月5日に決定
●ブックビル期間=12月7日から13日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、東海東京、岡三、極東、松井、アイザワ、岩井コスモ
業績推移(連結)
営業収益 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.12 | 2,431 | 183 | 64.28 | ― |
2021.12 | 2,905 | 219 | 78.94 | ― |
2022.12(予) | 3,305 | 213 | 68.77 | ― |
単位100万円、1株利益は円 |