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IPO2023年9月4日

新規上場紹介 オカムラ食品工業 9月27日 スタンダード サーモン養殖、水産物の加工・販売

オカムラ食品工業(2938)が9月27日、スタンダードに新規上場する。

サーモンを中心とした養殖、国内加工、海外加工、海外卸売の4事業を展開。このうち養殖と海外卸売を成長エンジンに位置付けている。

養殖事業は、サーモン養殖先進国のデンマークと日本の2カ国で展開。ノルウェー企業との差別化を図るため、卵を持たせる養殖を行っている点が特徴だ。デンマーク子会社では毎年約3,500トンのサーモンを養殖しており、その一部は同社の国内加工事業に使われる。ほか、魚の身の部分はスモークサーモンの加工用原料として、卵はイクラを生産、あるいはイクラ加工用原料として欧州各地へ販売する。

このデンマーク子会社の大規模生産ノウハウを活用し、2017年に大規模サーモントラウト養殖を日本で初めて青森県で実現。孵化から養殖まで一気通貫した生産体制を構築している。

加工事業は、国内ではカズノコやたらこ、同社で養殖したサーモンを扱う。国内のスーパーマーケットや外食向けの販売が主だが、最近ではアジア圏の大手回転ずしチェーンへの輸出も増えている。

海外ではミャンマーの自社グループ工場でサーモン原料の寿司ネタ加工を行うほか、ベトナムの大手水産加工工場とパートナー契約を結び、自社ブランド「オカムラkitchen」シリーズを含む焼成済みの焼き魚・煮魚製品の加工も行っている。ここで生産された製品は日本国内消費向けに輸出されるほか、シンガポールやマレーシアの現地販売拠点に向けて出荷される。

このように、自社グループ内で養殖・加工した商材は、海外卸売事業を通じて海外市場に販売されることも多い。なお、海外卸売はシンガポール、マレーシア、台湾、タイに拠点を持つ。

今24年6月期業績は売上高325億9,800万円(前期比12.6%増)、営業利益19億4,900万円(同38.8%減)を計画。ここ数年はコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などを背景に魚卵価格やサーモン価格が高騰し、在庫を有する企業は高い利益率を享受していた。今後短期的にはその反動が生じる見込みであり、これまでの高い利益率もいったん落ち着くものと予想される。(SS)

概要

●事業内容=サーモンの養殖、水産品の加工・販売
●代表者=岡村恒一代表取締役社長兼CEO
●設立=1971年8月
●上場前資本金=9,000万円
●発行済み株式数=778万5,210株(上場時)
●筆頭株主=オカムラ(上場前40.45%)
●公募株式数=105万株
●売出株式数=15万7,500株(オーバーアロットメント)
●仮条件=9月7日に決定
●ブックビル期間=9月8日から14日まで
●引受証券=野村(主幹事)、大和、みずほ、SMBC日興、SBI、楽天

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.6 24,100 3,341 333.98 8.43
2023.6 28,939 3,544 354.82 9
2024.6(予) 32,598 1,775 163.78 34
※単位100万円、1株利益・配当は円
※配当は1対30分割の株式分割を反映

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