TOP  NSJアップデート  IPO  新規上場紹介 オービーシステム 6月21日 スタンダード 安定基盤のシステムインテグレーター
IPO2023年5月31日

新規上場紹介 オービーシステム 6月21日 スタンダード 安定基盤のシステムインテグレーター

オービーシステム(5576)が6月21日、スタンダードに新規上場する。

金融、産業流通、社会公共、ITイノベーションの4分野で、システムインテグレーターとして、ソフトウエアの設計、開発、運用などのサービスを提供している。この4分野全てで売上高の半分以上を長年取引のある日立製作所、三菱電機ソフトウエアなど大口顧客企業からの継続案件や運用保守案件が占めており、安定的な収益基盤につなげている。

システムインテグレーター(SIer)とは、顧客企業が情報システムを構築する際、業務内容を分析し、情報システムの企画・立案、基本設計、プログラムの制作、ハードウエア、ソフトウエアの選定・導入、完成したシステムの保守・運用まで一連の業務を請け負う業者のこと。オービーシステム社は独立系システムインテグレーターのオービックに向けたソフトウエア開発会社として1972年に大阪で設立。日立製作所が関西に進出したのを機に76年にビジネスパートナーとしての取引を開始し、事業の領域を広げてきた。

取引先の大半は日立製作所グループ、三菱電機ソフトウエアなどの元請けSIerで、システム開発の実績を積み重ねることでビジネスパートナーとしての信頼関係を構築してきた。エンドユーザーには元請けSIerを通じてシステムを提供する流れだ。

売上高の4割を占める金融事業では地銀、都銀のほか、ネットバンキングシステムなどの開発や保守を基盤とし、DX(デジタルトランスフォーメーション)事業にも力を入れている。売上高の3割近くを占める産業流通事業では、ビッグデータを活用した受注予測システムの構築やクラウドコンピューティングの需要が増加。売上高の2割強を占める社会公共事業では、鉄道電力管理システムや電力系統制御システムの開発、メディア情報分野でクラウド環境下でのWEBシステム開発などに取り組む。昨年4月から始めたITイノベーション事業は顧客のDX化事業を含めた業務改革の取り組みを支援するシステム開発や、元請けシステムインテグレーターとの協業によるデジタルソリューション事業の拡大に注力している。

今24年3月期については売上高が前期比5.5%増の65億300万円、営業利益は同8.8%増の5億4,600万円と連続増益を計画している。(YY)

概要

●事業内容=金融、産業流通、社会公共およびITイノベーションの4つのサービスラインを展開するシステムインテグレーションサービス事業
●本社=大阪府大阪市中央区平野町2-3-7
●代表者=豊田利雄代表取締役社長
●設立=1972年8月
●上場前資本金=7,475万円
●発行済み株式数=227万7,000株(上場時)
●筆頭株主=山田孝(上場前40.44%)
●公募株式数=5万7,000株(新株式発行)、14万3,000株(自己株式の処分)
●売出株式数=40万株(このほかオーバーアロットメントで9万株)
●仮条件=6月5日に決定
●ブックビル期間=6月6日から12日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、SBⅠ、岩井コスモ、マネックス、松井、あかつき

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.3 5,992 482 163 50
2023.3 6,163 517 239.52 50
2024.3(予) 6,503 579 179.30        未定
単位100万円、1株利益・配当は円

関連記事