ククレブ・アドバイザーズ(276A)が11月28日、グロースに新規上場する。
AIを中心とした不動産テックシステムを活用した企業不動産(CRE)へのソリューション提供および不動産テックシステムの開発・販売を行う。CREは民間法人の保有不動産のストック数に比べ不動産情報の流通量が少なく、情報の非対称性や秘匿性により難易度の高いマーケットとされる。中でも、同社は大手の不動産プレイヤーが金額規模などの問題で取り扱わないコンパクトサイズの物件にフォーカスし、独自の分野にポジションニング。特に工場・倉庫などの事業用不動産に強い。
2つのビジネスを展開しており、1つ目のCREソリューションビジネスは売上高の約81%(前8月期実績)を占める。CREニーズの把握・分析では、独自のAIエンジンが有価証券報告書や中期経営計画書などの開示資料を自動的に分析して売却動向を把握する不動産テック「CCReB AI」、生成AIを活用して分析や提案ポイントを示唆するチャットボット形式の社内テックシステム「CCChat(ククチャット)」などを展開。また、ニーズを把握・分析した上で、不動産戦略に留まることなく企業経営や財務領域への影響を意識した最適解のアドバイザリーを実施するほか、課題やニーズに応じた具体的なソリューションの提供を行う。
2つ目の不動産テックビジネスでは、営業支援システムとして「CCReB AI」、事業用不動産マッチングシステム「CCReB CREMa(ククレブクレマ)」、BtoBポータルサイト「CCReB GATEWAY」などのテックシステムを不動産プレイヤー(不動産会社、資産運用会社、金融機関、建設会社、不動産調査会社など)向けにサブスクリプションサービスとして提供している。
ほかにも、これらサービスで提供している情報の一部をスポット業務として納品するサービスとして、有価証券報告書に記載の固定資産情報をリスト化した「CCReB PROP(ククレブプロップ)」、中期経営計画書に記載の経営方針に関する特定のワードをリスト化した「CCReB Clip(ククレブクリップ)」などをコンサルティング会社や教育機関、メディア向けに提供。パートナー企業とのシステム連携やOEM(相手先ブランドによる生産)生産によるサービス提供も行っている。(SS)
概要
●事業内容=AIを活用したCRE(企業不動産)に関するソリューションの提供および不動産テックシステムの開発・販売
●本社=東京都千代田区内神田1-14-8
●代表者=宮寺之裕代表取締役社長
●設立=2019年7月
●上場前資本金=2億円
●発行済み株式数=410万3,637株(上場時)
●筆頭株主=宮寺之裕(上場前49.56%)
●公募株式数=64万株
●売出株式数=57万900株(ほかオーバーアロットメントで18万1,600株)
●仮条件=11月8日
●ブックビル期間=11月12日から11月18日
●引受証券=みずほ(主幹事)、楽天、水戸、極東
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.8 | 703 | 234 | 47.80 | 10.00 |
2024.8(見込) | 1,269 | 416 | 84.29 | 17.00※② |
2025.8(予) | 1,792 | 500 | 87.09 | ※① |
※単位100万円、1株利益・配当は円 | ||||
①期末配当を予定しているが、具体的な金額は現時点で未定 | ||||
②株主総会による決議を経て最終的に確定 |