ケイ・ウノ(259A)が10月8日、名証ネクストに新規上場する。
デザイナーが目の前で一からデザインを描くフルオーダーメイド品の提案から、既成のデザインへダイヤモンドや彫金を追加する部分的なオーダーメイド(アレンジオーダー)など、オーダーメイドジュエリーの製造販売を行っている。
高コストかつ大量生産が難しいオーダーメイドビジネスを、同社は自社で製造から販売を一貫することで生産量の増加を低コストで実現。ダイヤモンド原石のカット・研磨も自社で行っており、2016年には長年の研究により培った技術力を用いて生み出した独自のダイヤモンドカット技術で特許を取得した。
ジュエリーのオーダーメイドやリフォーム・修理を中心に手掛ける「ケイウノ」ブランドをはじめ、ウォルト・ディズニー・ジャパンのライセンスを用いたブランドや、アニメ・漫画・ゲームなどのライセンスを用いたブランドにおいてもオーダーメイド商品やグループオリジナルの既製品を取り扱っている。
ライセンス商品はキャラクターの立体感や表情だけでなく、その物語が有する世界観などの高い再現性がライセンス提供会社から求められるため、一つひとつの商品内容が異なるオーダーメイドでの展開はもちろん、既製品の商品化にも高い参入障壁が存在する。デザイナーの幅広い提案力と職人の高い技術力により、付加価値の高いライセンス商品を展開できることが同社の強みとなっている。
オーダーメイドジュエリーは商品の種類や加工内容が多岐にわたるため、本来であれば職人の育成には長い期間を要する。一方、同社は独自の教育プログラムとして難易度の低い加工スキルから段階的に製造に携わらせることで、職人の早期戦力化および高い技術力を持った職人の育成に強みを持つ。基本的には職人による手作業が多いものの、機械化が可能な工程は出来る限り機械化し、生産の効率化を図っている。
近年はキャラクタージュエリーを軸とした「U―TREASURE」ブランドの拡大により、ファッションジュエリーの既製品の取扱量が増加傾向にある。22年1月には既製品製造のための拠点としてタイに自社グループ工場を開設。オーダーメイドで培ったクオリティの高さを保ちながら、大量ロット製品を効率的に製造できる体制を構築している。
今後はライセンス商品を強力に展開することで、海外チャネルを新たな利益の源泉として成長させる方針。また、既に進出している中国本土・香港・台湾・シンガポール以外にも、韓国やタイなど新たな国々への販売展開の拡大にも取り組む。(SS)
概要
●事業内容=ジュエリー・時計の製造販売、オーダーメイド、リフォーム、修理
●本社=愛知県名古屋市千種区猫洞通3-9
●代表者=伊藤崇史代表取締役社長
●設立=1991年3月
●上場前資本金=3,000万円
●発行済み株式数=104万3,200株(上場時)
●筆頭株主=秀吉(上場前39.49%)
●公募株式数=10万株
●売出株式数=9万9,200株(ほかオーバーアロットメントで2万9,800株)
●仮条件=9月18日に決定
●ブックビル期間=9月20日から9月27日
●引受証券=岡三(主幹事)、東海東京、安藤、SMBC日興、SBI、岩井コスモ、極東、Jトラストグローバル、丸三、あかつき、東洋、松井、水戸、楽天
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2022.9 | 5,823 | 26 | 35.90 | ― |
2023.9 | 6,170 | 167 | 85.09 | ― |
2024.9(予) | 6,508 | 232 | 183.46 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |