シイエヌエス(4076)が8月20日、マザーズに新規上場する。
顧客のシステム構築から移行、運用・保守について、IT技術を活用したエンジニアリングサービスをワンストップで提供している。
主力の基盤サービス事業はシステム全体を最適化してトータルでの支援を行う。サーバーやソフトウエアなど情報システムを、使用者が管理している施設に構築して管理・運用するオンプレミス基盤と、クラウド基盤の2つの事業からなる。パートナーのNTTデータや野村総合研究所でもオンプレミス基盤技術を活用したソリューションを展開する見込みであるため、同社でも中核事業と位置付けて取り組んでいる。クラウド基盤事業は利便性、可用性、運用性が高いことから急拡大するなど引き続き成長が期待できる。
システムの初期検討、開発から導入後運用までの全般を支援するのが業務システムインテグレーション事業だ。金融業界の信用リスクや金融規制対応、流通業界の顧客管理や販売管理で長年のノウハウを有しており、上流のコンサルティングから運用・保守まで一貫サービスを提供している。
ビッグデータ分析事業については、ユーザーの契約情報や行動ログ、位置情報などのデータを分析するモデルをつくり、顧客のビジネス課題を解決するサービス。「あの商品を買った人は、この商品も買ってくれそうだ」といったマーケッティング支援は、今後多様な広がりが期待できるビジネスだ。通信、金融、広告、流通、小売りなど幅広い分野における予測モデル開発に実績があり、業界リーダーのSAS Institute Japanと連携してサービス拡大を推進している。
DXを強化するのがデジタル革新推進事業で、ServiceNow社の製品を活用したシステム保守・運用業務変革の取り組みを、NTTデータと協業している。AI技術への取り組みも積極的で、従来のシステム開発とAIを実ビジネスで利用するためのシステム化対応にも実績がある。
2022年5月期業績は、売上高52億7,000万円(前期比8.9%増)、経常利益5億900万円(同4%増)を見込む。(NA)
概要
●事業内容=システムエンジニアリングサービス
●本社=東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル9階
●代表者=関根政英代表取締役社長
●設立=1985年7月
●上場前資本金=1億2,360万円
●発行済み株式数=282万8,000株(上場時)
●筆頭株主=富山広己(上場前24.11%)
●公募株式数=32万株
●売出株式数=20万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が7万8,000株)
●仮条件=8月2日に決定
●ブックビル期間=8月4日から11日まで
●引受証券=東海東京(主幹事)、岩井コスモ、SBI、松井、水戸、東洋、岡三
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.5 | 4,577 | 486 | 129.71 | 0 |
2021.5 | 4,841 | 489 | 134.25 | 0 |
2022.5(予) | 5,270 | 509 | 121.20 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |