シーユーシー(9158)が6月21日、グロースに新規上場する。
急性期から回復期、慢性期、終末期の各ステージにおいて患者、医療従事者、医療機関向けに様々なサービスを展開。病院やクリニックなどに対する医療機関支援事業を運営するほか、回復期から終末期にわたるステージでは居宅訪問看護事業や在宅ホスピス事業を運営している。エムスリー(2413・P)の連結子会社。
医療機関支援事業では主に経営支援サービスを行っており、経営戦略策定・経営管理支援をはじめ、マーケティング支援、人材派遣、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援などをオールインワン月額報酬で受託することに加えて、新規クリニック開設支援、病床転換支援、M&A・PMI支援などの一括サービスをワンタイム報酬で受託する。このほか、給食サービスや不動産賃貸、さらに海外ではベトナムにおいて病院・クリニックを運営する機関向けに、インドネシアにおいて透析を運営する医療機関の経営支援を行っている。
一方、訪問看護セグメントでは、居宅訪問看護事業で訪問看護、通所介護(デイサービス)、居宅介護支援を提供するほか、在宅ホスピス事業は在宅ホスピス施設の運営から訪問看護・介護、居宅介護支援、居宅介護および重度訪問介護まで幅広く手掛ける。
2022年3月期においては、新規サービスとして新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援サービス、在宅治験(直近ではコロナ治療薬の在宅治験が売上収益の大半を占める)、健康観察支援サービス(コロナ自宅療養者向け見守りサービスとして開始)などにも取り組んだ。ワクチン接種支援については開始検討から約2カ月という短期間でサービスの受注および実行を開始するなど、機動的かつ急速な事業の立ち上げを得意とする。
人材不足が深刻化している医療・介護業界において、独自の雇用モデルに基づく強力な採用力も強み。22年4月から23年3月までにおいて、居宅訪問看護事業では302人の看護師・セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の採用を行いつつ、22年度の離職率は14.7%と低い水準に抑えている。
24年3月期業績は売上収益318億6,400万円(前期比9.5%減)、営業利益34億4,400万円(同6.5%減)を計画。なお、新規サービスであるコロナワクチン接種支援サービスについては受注確度の高い案件がないため、今期予想には織り込んでいない。同じく在宅治験、健康観察支援サービスについても、受注確度が高い売上収益2億6,100万円のみを含めている。(SS)
概要
●事業内容=医療機関支援事業、居宅訪問看護事業および在宅ホスピス事業
●本社=東京都港区芝浦3-1-1
●代表者=濵口慶太代表取締役
●設立=2014年8月
●上場前資本金=10億6,304万円
●発行済み株式数=2,903万400株(上場時)
●筆頭株主=エムスリー(上場前82.47%)
●公募株式数=640万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで96万株
●仮条件=6月5日に決定
●ブックビル期間=6月5日から6月9日まで
●引受証券=三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ、ゴールドマン・サックス(共同主幹事)、SMBC日興、SBI、松井、マネックス、楽天
業績推移(連結)
売上収益 | 営業利益 | 1株利益 | 配当 | |
2022.3 | 35,314 | 3,679 | 129.68 | ― |
2023.3 | 35,210 | 3,683 | 113.90 | ― |
2024.3(予) | 31,864 | 3,444 | 75.47 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |