ジンジブ(142A)が3月22日、グロースに新規上場する。
高校生に特化した新卒採用支援、高卒社会人の教育・転職支援サービスなどを展開。採用支援では①高校生向け求人メディア「ジョブドラフトNavi」の運営②高校生のための職業体験・就職イベント運営③適性検査アプリと面接マニュアルを企業向けに提供する「ジョブドラフトSurvey」の運営――を行っている。
一般的に高校生の就職活動はほとんどが学校斡旋(あっせん)によるもので、文字情報のみの「求人票」が主な情報源となる。ほかにも大学生の就職活動とは異なる点が複数あり、限られた情報、期間、機会で就職活動をしなければならず、入社後のミスマッチによる早期離職が課題となっている。
「ジョブドラフトNavi」には、求人票だけでは読み取れない会社の雰囲気や1日の仕事の流れ、先輩社員インタビューなどが掲載されており、高校生は気になる企業があれば職場見学の申し込みもできる。掲載企業は全国の高校生に直接アピールできるほか、サポートプランでは同社のカスタマーサポート部門によるフォローアップを受けることも可能。掲載企業から掲載料を受領している。
イベント運営では、求人情報解禁前の5・6月に大規模職業体験イベント「おしごとフェア」、解禁後の7・10月に高校生と企業が直接交流できる合同企業説明会「ジョブドラフトFes」、2月に高校教員と企業が直接交流できる「先生Fes」などを開催。出展企業から参画料を受領する。
このほか、企業の高校新卒採用における活動の代行を行う代行支援サービスや、高校生・高卒社会人に向けた教育研修サービス、企業向け新人育成定着支援研修、社会人向けデジタルマーケティング人材育成研修、高卒第二新卒の就転職を支援する「ジョブドラフトNext」「ジョブドラフトSchool」の提供なども行っている。
高卒就職というニッチ市場に特化している点が特徴。全国の高校と強いネットワークがあり、2023年3月期には1,849校の高校に訪問している。昨年6月からはジョブドラフトNaviとの連携システムとして、高校に届く紙の求人票をデジタル化する「ジョブドラフトTeacher」の提供を開始し、高校網のさらなる拡大に取り組んでいる。
また、同社は20年4月以降、全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫との連携に注力しており、23年12月末現在63行と提携している。これら金融機関は既存の取引先に対する融資だけでなく、若手人材不足に悩む地方企業に対して高校新卒採用の提案を行うことができる。現在は金融機関経由で月間平均230社ほどの案件があり、同社にとっては安定的な商談確保につながっている。(SS)
概要
●事業内容=高卒就職採用支援サービスおよび人財育成サービス
●本社=大阪府大阪市中央区安土町2-3-13(最寄りの連絡場所は、東京都港区浜松町2-7-19)
●代表者=佐々木満秀代表取締役社長
●設立=2015年3月
●上場前資本金=9,800万円
●発行済み株式数=139万6,500株(上場時)
●筆頭株主=佐々木満秀(上場前74.54%)
●公募株式数=20万株
●売出株式数=15万株(ほかにオーバーアロットメントで5万2,500株)
●仮条件=3月4日に決定
●ブックビル期間=3月6日から12日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、SMBC日興、岩井コスモ、香川、極東、Jトラストグローバル、東海東京、東洋、マネックス、水戸、むさし、あかつき、松井
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2022.3 | 972 | ▼93 | ― | ― |
2023.3 | 1,517 | 64 | 41.38 | ― |
2024.3(予) | 2,112 | 263 | 155.58 | ― |
※単位100万円、1株利益は円、▼は損失 |