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IPO2022年4月1日

新規上場紹介 ストレージ王 4月27日 グロース トランクルームの開発・運営

ストレージ王(2997)が4月27日、グロースに新規上場する。

全国にトランクルームを展開。自社開発したトランクルームを収益不動産として投資家に売却する際に計上する「開発分譲による利益」と、開業後のトランクルームの運営による「運営管理の利益」があり、2022年1月期(見込み)は開発分譲による利益が82%を占めている。

運営管理事業は利用者から受領するトランクルームの利用料金が主な収入源。このうち同社が事業主体となって物件を所有あるいは固定家賃で貸借する「固定家賃型」は、トランクルーム稼働状況が同社の利益に影響し、物件により異なるものの、損益分岐稼働率はおおむね60~70%程度となる。

一方、事業主体である不動産所有者から同社がビルを貸借もしくは管理を受託する「変動家賃型」は、利用者からの収入もしくは管理手数料の増減は同社の収支に影響を与えるが、物件の保有、事業リスクは不動産所有者もしくは投資家が負うこととなる。

開発分譲事業は、用地購入・ビルイン型建築による土地建物としての売却、土地貸借による建物部分の売却のほか、トランクルームの内装部分のみを売却する場合もある。また、トランクルームその他不動産開発に関するコンサルティングフィーの受領、トランクルーム以外の不動産の売買を行った場合の収入も同事業に含めて管理している。

日本ではサービスそのものの認知度がまだ低い。市場規模は約770億円、世帯普及率は0.7%(米国は市場規模約4兆円、世帯普及率10%)にとどまり、高い潜在市場性を有している。昨今は外部のトランクルームを利用することで、住まいの限られたスペースを調整することが増えてきた。コロナ禍で在宅勤務の増加で室内を広くすることや、巣ごもり消費の増加から家庭内に食品などの在庫が増えたことも業界にとって追い風となっている。

今後は不動産会社、金融機関などからの情報獲得能力を強化していくとともに、既存の住宅系開発会社との連携を密にし不動産開発力を強化する。また、トランクルームを不動産流動化の対象として位置付ける活動を展開していく。新事業、新サービスの拡大にも意欲的であり、過去にはトランクルームの一部を活用してワインを預かることができるワインセラーの併設や、サーフボード収納専用トランクルームの設置、トランクルームと宅配ボックスの融合といった事例がある。(SS)

概要

●事業内容=トランクルームに関する企画、開発、運営、管理プロパティマネジメント業
●本社=千葉県市川市市川南1-9-23
●代表者=荒川滋郎代表取締役社長
●設立=2010年4月
●上場前資本金=1億7,000万円
●発行済み株式数=176万6,000株(上場時)
●筆頭株主=デベロップ(上場前79.29%)
●公募株式数=22万株
●売出株式数=42万3,500株(ほかにオーバーアロットメントで9万6,500株)
●仮条件=4月8日に決定
●ブックビル期間=4月12日から18日まで
●引受証券=大和(主幹事)、SBI、マネックス、岩井コスモ

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.3 1,134 ▼72
2022.3 3,069 158 80.12
2023.3(予) 3,256 190 72.01
※単位100万円、1株利益は円。▼は赤字

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