トヨクモ(4058)が9月24日、マザーズに新規上場する。
緊急時に簡単に情報共有できるクラウドサービス「安否確認サービス」、サイボウズ(4776)が提供する業務用アプリケーション構築サービス「kintone」と連携したクラウドサービスの開発・販売を行っている。
クラウドサービスなどの新たなサービスを展開することを目的に2010年、サイボウズの100%子会社としてサイボウススタートアップスとして設立。14年3月にMBO(マネジメントバイアウト=経営陣による買収)により独立した経営体制に移行した。サイボウズ(上場前で保有株比率11.63%)は、保有株60万株のうち20万株を売り出す。
「安否確認サービス」は、災害発生時の被害状況を正確に把握し、従業員などへの指示を迅速に行うなど企業の災害対策に有用な機能を備えているほか、全社への一斉連絡や出社確認などコミュニケーションを円滑にする機能を持つ。新型コロナウイルス感染症による働き方の変化にも有用で、同サービスを利用する機会は拡大するものと会社側は認識しており、テレビCMなどの広告も利用して知名度向上に努めていく。
「kintone」との連携は8月現在、8つのサービスを展開している。例えば、「プリントクリエイター」は、「kintone」に登録されたデータを利用して見積書、請求書などの帳票印刷をするためのサービス。3月に開始した「データコレクト」は「kintone」内のデータを収集・計算するサービス。
2019年12月期末の有償契約数は、安否確認サービスが1,491契約、kintone連携サービスが2,998契約。新規契約の年間見込みは、前者が300~400契約程度、後者が800~1,000契約程度の増加を見込んでいる。
同社の売上高は両サービスの毎月の利用料。利用期間に応じて料金が発生するため、有償契約数の増加により継続的に収益が積み上がるストック型ビジネス。
また、同社のサービスはクラウドサービスであることから、顧客の申し込みから利用までオンラインで完結することができ、同社の営業社員が訪問することなく、サービスの導入が可能。
20年12月期の業績は、売上高10億3,600万円(前期比36.1%増)、経常利益1億8,400万円(同87.7%増)の予想。
概要
●事業内容=法人向けクラウドサービス事業(安否確認サービスおよびkintone連携サービスの開発・販売)
●本社=東京都品川区西五反田2-27-3
●代表者=山本裕次代表取締役社長
●設立=2010年8月
●上場前資本金=5,730万円
●発行済み株式数=500万2,000株(上場時)
●筆頭株主=ナノバンク(上場前47.44%)
●公募株式数=30万株
●売出株式数=20万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が5万株)
●仮条件=9月2日に決定
●ブックビル期間=9月4日から10日まで
●引受証券=いちよし(主幹事)、大和、SMBC日興、岩井コスモ、SBI、極東、東洋、マネックス
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2018.12 | 482 | 137 | 21.48 | 0 |
2019.12 | 761 | 98 | 16.45 | 0 |
2020.12(予) | 1,036 | 184 | 25.27 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |