自動車関連のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開するナルネットコミュニケーションズ(5870)が12月25日、東証グロース市場に上場する。
法人向けオートリースサービスを提供する企業を中心に車両管理(点検・車検・修理など)を一括で受注するメンテナンス受託が主力事業。同事業の対象となるリース車両は、2023年3月時点で約406万台あり、今後も堅調に推移すると同社では予想している。全国の整備工場と連携して整備を依頼、リース期間に合わせてメンテナンス管理業務を受託している。
個人向けリースサービス提供者に対してはMLS(マイカーリースサポート)事業を展開している。MLSのメンテナンス受託内容については、決められたサイクルによる点検基本工賃と決められた作業及び消耗品交換のみの限定的な契約となっている。また、上記の関連業務を除く、部分的なBPOビジネスとして、メンテナンス費用管理等のデータ管理サービス、タイヤ保管サービス、納税管理サービスなどの車両に関連する様々な業務を受託している。
中期的には自動車メンテナンス受託サービスで安定的な成長を確保しつつ、メンテナンス管理の経験を生かし自動車および自動車以外のあらゆる移動を支える新しい領域へのBPOサービスを拡大していくことで、企業価値の向上を目指す。
今後の成長に向けて、クライアントのニーズに応えられる自動車整備工場ネットワークの充実(23年9月末時点では1万1,742カ所)を図るほか、専門的な知見を生かしたモビリティ企業に対するBPO領域への進出、新しい事業・サービスの創出などに取り組む。
24年3月期は売上高78億7,800万円(前期比12.0%増)、営業利益6億7,800万円(同32.0%増)を見込んでいる。(M)
概要
●事業内容=オートリース企業をはじめとする法人(自動車関連企業)・個人ユーザーに対する車両管理やメンテナンス管理事業
●本社=愛知県春日井市下市場町五丁目1 番地16
●代表者=鈴木隆志代表取締役社長
●設立=2019年7月
●上場前資本金=5,000万円
●発行済み株式数=533万2,100株(上場時)
●筆頭株主=ジャフコSV6投資事業有限責任組合(上場前47.35%)
●公募株式数=5万6,000株
●売出株式数=224万1,900株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が34万4,600株)
●仮条件=12月5日に決定
●ブックビル期間=12月7日から13日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、安藤、岩井コスモ、岡三、SBI、東海東京、野村、三菱UFJモルガン・スタンレー
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2022.3 | 6,418 | 389 | 37.76 | 0 |
2023.3 | 7,027 | 492 | 117.92 | 0 |
2024.3(予) | 7,870 | 667 | 76.01 | 0 |
※単位100万円、1株利益・配当は円 |