ニューラルポケット(4056)が8月20日、マザーズに新規上場する。
独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画分析と端末処理(エッジコンピューティング)技術を活用して、AIエンジニアリング事業を展開。ビジネスにインパクトを与える「AIサービス」を創出している。
具体的には、「スマートシティ関連」「サイネージ広告関連」「ファッショントレンド解析関連」の3つのサービスを展開している。
「スマートシティ関連」では、スマート物流・スマートファクトリー分野に注力している。熟練工の経験・ノウハウに基づく動きについてAIカメラを用いて可視化、新人工員の稼働管理に役立てている。また、工場内にAIカメラを設置して機械などの非デジタル設備の稼働状況を常時監視したり、工場の導線解析を実施することで、異常が発生した際に迅速な対応ができる工場運営体制の整備に役立てる。19年12月期は物流施設内の作業効率・動線可視化ソリューションを提供し、売上高を計上している。
現時点では売り上げ実績はないものの、スマートフォンで運用可能なドライブレコーダー「スマートくん」を開発している。アプリをダウンロードするだけでユーザーのスマホがドライブレコーダーとして使えるようになる。録画機能だけではなく、急発進・急ブレーキ検知や前方車両発信アラートなどの機能を搭載している。このサービスを無償で提供し、ユーザーの同意のもと、ドライブレコーダーで取得した運転データや道路情報のAI解析の基となるビッグデータを取得。この情報を自動車会社、タクシー会社、保険会社といった事業者に有償で提供することを検討している。また、これも売り上げ実績はないが、駐車場全体の満空状態やどのスペースが空いているかといった情報を把握することができるパーキング分野にも注力している。
「サイネージ広告関連」については、同社はAIを搭載したカメラとエッジデバイスを使ったデジタルサイネージを提供。従来は設置する装置ごとに個別にシステムを設定する必要があったが、オンラインで一斉に端末の設定を行うことができる。また、広告コンテンツを放映しながら通行人の動きを感知し、視聴情報や施設内の人の流れなどの空間情報を各端末がその場で取得。時間帯ごとの視聴者属性に合わせて放映する広告を変更するターゲティング広告が可能になる。大手通信事業者および大手広告代理店と連携してAIデジタルサイネージ広告サービスの本格提供に向けて取り組みを進めている。
「ファッショントレンド解析関連」はアパレル企業がユーザー。独自の画像解析エンジンを用いてSNS(交流サイト)における2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析してファッションのアイテム、色彩、シルエット、素材感をビッグデータ化。アパレル企業はファッション特性を定量化し、商品企画業務をデジタル化・強化している。顧客から月次で継続フィーを受領する収益構造を基本とするストック型ビジネスとなる。
概要
●事業内容=AIエンジニアリング事業(独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画解析技術とエッジコンピューティング技術の活用によるソリューション提供)
●本社=東京都千代田区有楽町1-1-2
●代表者=重松路威代表取締役社長
●設立=2018年1月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=1,378万4,000株(上場時)
●筆頭株主=重松路威(上場前68.54%)
●公募株式数=41万5,000株
●売出株式数=16万3,000株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が8万6,700株)
●仮条件=7月31日に決定
●ブックビル期間=8月4日から11日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、野村、SMBC日興、大和、いちよし、SBI、マネックス、楽天、岡三
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2018.12 | 60 | ▼182 | ▼15.76 | 0 |
2019.12 | 311 | ▼139 | ▼10.59 | 0 |
2020.12(予) | 776 | 139 | 8.55 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字 |