TOP  NSJアップデート  IPO  新規上場紹介 ファンペップ 12月25日 マザーズ 大阪大学発の創薬ベンチャー
IPO2020年12月4日

新規上場紹介 ファンペップ 12月25日 マザーズ 大阪大学発の創薬ベンチャー

ファンペップ(4881)が12月25日、マザーズに新規上場する。昨年12月に上場する予定だったが、上場を延期していた。

大阪大学大学院の研究成果である機能性ペプチドの研究開発を進め、医薬品、化粧品および医療機器などの分野で実用化することを主な事業としている。

ペプチドとは、アミノ酸2~50個程度が結合した物質。一般的に、50個以下のアミノ酸が鎖状に結合した物質をペプチドと呼び、それ以上の数のアミノ酸が結合した物質をタンパク質と呼んでいる。

研究開発パイプラインは、①AG-30由来の機能性ペプチド「SR-0379」、②抗体誘導ペプチド「FPP003」「FP004」。①は、血管新生や肉芽形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持った皮膚潰瘍治療薬として日本ではフェーズ3臨床試験の準備段階まで開発が進んでいる。導出先は塩野義製薬(4507)。全世界のライセンス契約を結んでいる。②の「FPP003」について大日本住友製薬(4506)と北米のオプション契約を結んでいる。乾癬を対象としたフェーズ1およびフェーズ2a臨床試験を豪州で実施している。「FP004」は花粉症を対象に前臨床試験の段階。

化粧品ではファンケル(4921)から、機能性ペプチドを含有するシャンプーとして2018年に「マイルドクレンジングシャンプー」「ボリュームアップシャンプー」が発売された。

20年12月期は化粧品などに使用する機能性ペプチドの販売額300万円を事業収益として見込んでいる。前期は提携製薬会社などから開発マイルストーンおよび研究開発協力金の合計3億円を計上していた。今期は提携プロジェクトの開発マイルストーンなどのイベントが予定されていないため、医薬品分野の収入は見込んでいない。来期以降に開発プロジェクトの開発進捗に伴い医薬品分野の収入を計上する計画。

概要

●事業内容=機能性ペプチドを用いた医薬品などの研究開発事業
●本社=大阪府茨木市彩都あさぎ7-7-18-303号
●代表者=三好稔美代表取締役社長
●設立=2013年10月
●上場前資本金=13億8,824万円
●発行済み株式数=1,674万6,700株(上場時)
●筆頭株主=森下竜一(上場前13.53%)
●公募株式数=273万9,700株
●売出株式数=41万900株(オーバーアロットメントによる売出)
●仮条件=12月8日に決定
●ブックビル期間=12月10日から16日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、SMBC日興、いちよし、エース、藍澤、岩井コスモ、東海東京、東洋、極東、水戸

業績推移(単体)

事業収益 経常利益 1株利益 配当
2018.12 355 ▼8 ▼1 0
2019.12 301 ▼232 ▼20.25 0
2020.12(予) 3 ▼557 ▼44.52 0
※単位100万円、1株利益は円
▼は赤字

関連記事