フォーラムエンジニアリング(7088)が3月9日、東証に新規上場する。市場1部か2部かは公開価格の決定(2月28日)後に決まる予定。
エンジニア人材の派遣事業・紹介事業を行っている。1981年に主として人材派遣サービスを行う企業として設立。2008年のリーマン・ショック以降は、収益性が高い機械・電機系エンジニア人材の派遣サービスに特化する戦略を進めてきた。20年1月1日時点で4,352名の技術社員を、機械・電機系の主要8業種(自動車、輸送用機器、産業用機械、精密機械、電気機器、家電、電子部品、情報通信)の製造業1,429事業所に派遣している。
また、エンジニア人材流動化需要に注目した新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいる。機械・電機系エンジニア人材市場を対象に、AI(人工知能)を活用したマッチング機能で求人企業と求職人材を結び付ける人材流動化プラットフォーム「コグナビ」を独自に開発した。エンジニア人材が保有するスキルと顧客企業が求めるスキルの両方を数値化することで、客観性の高いマッチングを実現している。18年7月から「コグナビ」を技術基盤とするエンジニア紹介サービス「コグナビ転職」を開始。19年末時点で5種類の「コグナビ」人材サービスを提供している。
同社では、求人・求職サイトに広告を掲載して応募者を募る一般的な手法に加えて、独自のルートで採用を行っている。同社専用の人材採用サイト「コグナビ派遣」を運用している(登録会員は19年末で9万3,749名)。同社顧客企業の派遣求人案件情報を掲載しており、さらに会員に対しては会員が居住するエリアの派遣求人情報を定期的にメール配信することで応募を促している。また、過去の就業辞退者にもメール配信で再応募を促進している。
「コグナビ新卒」の提供を控えて、新卒学生の正社員エンジニアとしての就職を応援する立場から、同社の新卒学生採用を差し控えた。このため、20年3月期の期初における技術社員数は前年同期に比べて6.3%(304名)減少した。また、米中貿易摩擦の激化などによる顧客企業の景況感が悪化。顧客企業の行動が慎重になったことで、派遣開始決定に至るまでの期間が従来より長くなる傾向が見られる。待機者増加から20年3月期の第3四半期の稼働率は前年同期比2.1%減の95.0%となった。
通期業績は、売上高319億円(前期比7.8%減)、経常利益35億2,000万円(同44.5%減)の予想。配当は年45円の予定。
概要
●事業内容=エンジニア人材の派遣事業・紹介事業
●本社=東京都港区虎ノ門4-3-1
●代表者=佐藤勉代表取締役社長
●設立=1981年4月
●上場前資本金=9,000万円
●発行済み株式数=2,662万7,700株(上場時)
●筆頭株主=ラテール・エンタプライズ(上場前45.98%)
●売出株式数=967万3,600株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が67万4,800株)
●仮条件=2月21日に決定
●ブックビル期間=2月25日から27日まで
●引受証券=野村(主幹事)、みずほ、SBI
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2018.3 | 34,496 | 6,181 | 151.50 | 80 |
2019.3 | 34,591 | 6,341 | 158.96 | 84 |
2020.3(予) | 31,900 | 3,520 | 74.36 | 45 |
※単位100万円、1株利益、配当は円 |