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IPO2025年1月23日

新規上場紹介 フライヤー 2月20日 グロース 本の要約サービスを法人・個人に提供

フライヤー(323A)が2月20日、東証グロースに新規上場する。

「本の要約サービス flier」を法人と個人向けにクラウドサービス形式で提供している。

flierは、本を読みたいが読みきれない、自分に合う本が見つけられないという2つの課題の解決を支援するもの。具体的には、年間に約6,000冊発刊される書籍から良書を厳選し、1冊あたり約10分で読めるように要約して配信している。提供する要約は約3,800冊超(昨年11月末時点)。通勤時間や休憩時間などのすきま時間を活用して教養やビジネススキルを身に付ける手段として利用されている。

中核は法人向け事業で売り上げの7割を占める。主力サービスは「flier business」。企業は従業員の育成や福利厚生を目的に採用し、契約社数は累計1152社。ビジネスモデルは、同社が出版社から許諾を得て要約を作成し、利用企業から提供アカウント数に応じた月額固定費を得るSaaSのサブスクリプション型。ほか、インターネットカフェや公共図書館などの施設向け事業、人材投資の成果を見える化するスコアリングサービス「flier成長組織ナビ」などを手掛ける。

個人向け事業は売り上げの3割。要約が読み放題のゴールドプラン(月額2,200円)、月5冊まで読めるシルバープラン(同550円)、20冊程度のサンプルの要約が閲覧できるフリープランがあり、要約の9割以上は音声で聞くこともできる。また、オンライン読書コミュニティ「flier book labo」の運営や、本を軸にしたディープなインタビュー番組「flier公式チャンネル」の配信も行っている。

中長期の経営戦略の軸は、法人向け事業の拡大。「flier business」の顧客基盤拡大、新規事業である「flier成長組織ナビ」の展開本格化、両サービスのクロスセルの拡大に取り組む。上場に伴う公募増資で調達する資金は、法人向け事業の強化や新規事業創出に伴う人件費、銀行借り入れの返済に充てる予定。

営業赤字が続いていたが、今2月期は増収効果に加え、広告運用効率化による広告宣伝費減少もあり営業利益200万円と若干ながら黒字転換を見込む。一方、経常損益は支払利息増加や上場関連費用により小幅ながら赤字が続く見通し。(K)

概要

●事業内容=ビジネス書の要約サービス「flier」・「flier business」の開発・運営
●本社=東京都千代田区一ツ橋1-1-1
●代表者=大賀康史代表取締役CEO
●設立=2013年6月
●上場前資本金=4億9,778万5,000円
●発行済み株式数=331万8,760株(上場時)
●筆頭株主=メディアドゥ(上場前57.10%)
●公募株式数=27万5,000株
●売出株式数=38万1,800株(ほかオーバーアロットメントで9万8,500株)
●仮条件=1月31日に決定
●ブックビル期間=2月3日~7日
●引受証券=みずほ(主幹事)、SMBC日興、SBI、楽天、マネックス、松井、岡三、水戸、岩井コスモ、極東

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2023.2 634 ▼271
2024.2 785 ▼136
2025.2(予想) 946 ▼5 2.77
※単位100万円、1株利益は円、▼は損失

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