フラー(5583)が7月25日、グロースに新規上場する。
スマートフォンアプリを中心としたシステム全般の事業開発・UI/UXデザイン・開発などの業務を受託する「クライアントワーク」が売り上げの約9割を占める。「App Ape」を軸とするアプリ分析サービスは、創業以来、事業の主軸として展開してきた。スマホアプリの利用動向を示す推計データを、クラウドサービス形式または分析レポート形式により提供している。
顧客は国内大手企業が中心で、NTTドコモや三井不動産、スノーピークなど業種の幅は広い。DX(デジタルトランスフォーメーション)やMX(モバイルトランスフォーメーション)を展望する中で、特にモバイル分野に関する知見やクリエイティブ人材の確保に課題を持つ企業が多い。取引形態は顧客との直接取引が中心。そのため、取引実績を顧客と共同で積極的に情報発信することが可能となり、こうしたPRが実際の受注獲得につながるなどブランディング面での効果も大きい。
顧客のニーズに応じて、事業開発、サービス企画、UI/UXデザイン、スマートフォンアプリ、Webフロントエンド、サーバーサイドの各アプリケーション開発・保守、クラウドサーバーの運用・監視、事業グロースの支援に至るまで、主に自社の内部リソースを活用して一気通貫のソリューションを提供することが特徴。また、事業の生命線となるクリエイティブ人材は社員の約7割を占めている。
今後については、取引先増加と事業開発コンサルティング・システム開発・UI/UXデザインの各分野のソリューション提供能力を向上させていくことにより、収益基盤の拡大と事業成長を図る。また、同社は千葉県と新潟県の二本社体制をとっている。リモートワークの普及を追い風とし、営業活動とクリエイティブ人材確保のための拠点として、首都圏以外の地方拠点を積極的に活用していく方針。(SS)
概要
●事業内容=スマートフォンアプリを中心としたデジタル領域全般における事業開発コンサルティング・UI/UXデザイン・システム開発、アプリ利用データ分析など
●本社=千葉県柏市若紫178-4
(本店所在地:新潟県新潟市中央区笹口1-2)
●代表者=渋谷修太代表取締役会長
●山﨑将司代表取締役社長
●設立=2011年11月
●上場前資本金=3,700万2,000円
●発行済み株式数=167万9,070株(上場時)
●筆頭株主=渋谷修太(上場前16.18%)
●公募株式数=8万株
●売出株式数=21万5,200株(ほかにオーバーアロットメントで4万4,200株)
●仮条件=7月5日に決定
●ブックビル期間=7月7日から13日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、野村、岩井コスモ、SMBC日興、岡三にいがた、第四北越、松井、マネックス、楽天
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2021.6 | 1,004 | 62 | ― | ― |
2022.6 | 1,245 | 166 | 97.42 | ― |
2023.6(予) | 1,500 | 108 | 55.03 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |