プレミアアンチエイジング(4934)が10月28日、マザーズに新規上場する。
基礎化粧品の製造および販売を行っている。
主力ブランドは「DUO」。同社売上高の84.5%(2020年7月期)を占める主力商品の「ザ クレンジングバーム」が中心。クレンジング市場はインバウンド需要が減少する中、スキンケア習慣の浸透に伴う内需の拡大が市場を牽引しており、2019年の市場規模は1,190億円と前年比で1.1%の増加となっている。
第2の柱として育成中のブランドはオールインワン化粧品を中心とする「CANADEL」。モイスチャー市場は大手化粧品メーカーの新商品投入によって全体的に拡大しており、19年の市場規模は2,437億円、前年比で2.8%の増加となっている。
製品は3つのチャネルで販売している。
通信販売は創業時から取り組んでいる主力の販売形態で売上高構成比は81.3%(19年7月期)。自社EC(電子商取引)サイトを持っており、1回の注文ごとに商品を購入する「都度販売」に加えて、一定の間隔で同様の製品を継続的に顧客に届ける「定期販売」の2つを用意している。定期販売は事務作業を効率化できることや安定した売り上げを確保できるストック型のビジネスモデル。通信販売の売上高に占める定期販売の比率は約90%(19年7月期)となっている。
販売チャネルの強化として化粧品卸売業者と代理店契約を結び、バラエティショップをはじめとした小売店への販売を行っている。18年10月に卸売販売専用の部署を新設したことで、卸売販売の売上高は19年7月期には19億円強と前年の4倍以上に拡大した。
そのほか、Amazonに出店しているほか、海外展開にも取り組んでいる。販売代理店を経由して中国、台湾、香港への販売を行っており、台湾においては日本で展開している通販モデルの流用が可能な商習慣で、海外展開の足掛かりとして積極的な展開を進めている。この「その他」の売上高構成比は2.4%(19年7月期)。
今後は、顧客目線に立った商品開発、通信販売における新規顧客の獲得並びに既存および休眠顧客へのアプローチ、新規販売チャネルの開拓――を図る。
新型コロナ感染症による社会情勢不安定な状況下において、クロスセル(定期販売の顧客に2品目以上を購入してもらう施策)の強化、卸売販売部門の増員を行うなどの営業体制強化で、20年7月期は前期比71.9%増収、営業利益は6.8倍となった。21年7月期は売上高252億7,000万円(前期比23.2%増)、経常利益25億4,600万円(同55.7%増)の予想。「ザ クレンジングバーム」の売上高の伸びに注力するほか、「CANADEL」ブランドの認知度向上を図るため、9月からTVCMを放映する。
概要
●事業内容=基礎化粧品の製造および販売
●本社=東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー
●代表者=松浦清代表取締役社長CEO
●設立=2009年12月
●上場前資本金=1,500万円
●発行済み株式数=870万株(上場時)
●筆頭株主=プレミアマネジメント(上場前49.51%)
●公募株式数=70万株
●売出株式数=165万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が35万2,500株)
●仮条件=10月12日に決定
●ブックビル期間=10月13日から16日まで
引受証券=野村(主幹事)、SMBC日興、みずほ、SBI、楽天、岩井コスモ、岡三、東洋
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2019.7 | 11,929 | 235 | 21.79 | 0 |
2020.7 | 20,508 | 1,635 | 142.93 | 0 |
2021.7(予) | 25,270 | 2,546 | 207.12 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |