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IPO2025年3月10日

新規上場紹介 プログレス・テクノロジーズグループ 3月28日 グロース 製造業の設計開発向けにソリューション提供

プログレス・テクノロジーズ グループ(339A)が3月28日、東証グロースに新規上場する。

製造業向けに製品開発プロセスの上流工程に特化したソリューションやサービスを提供する企業。持ち株会社体制を敷き、実際の事業を行う連結子会社2社(プログレス・テクノロジーズ、S&VL)に、経営指導や経理管理業務を提供している。

プログレス・テクノロジーズは主力の事業会社。設計開発領域に特化し、メーカーの課題解決に必要なソリューションをワンストップで提供している。ツールや労働力の提供にとどまらず、顧客に伴走し、プロセスの改革から運用の定着まで手掛ける。

S&VLは、9軸アクチュエータを搭載した可動域・加速度・応答性の観点で高性能なドライビングシミュレータを活用し、バーチャルテスト環境の提供から、プラントモデル(パソコン上で模擬するモデル)の開発・評価、開発プロセスの改革提案までをワンストップで提供している。

強みのシミュレーション技術を活用し、仮想空間で試作や走行実験を行うことで、実機を用いた従来型の設計・開発・試作・テストのプロセスと比較し、開発リードタイムの短縮やコストの削減を実現している。群馬県太田市に設立した技術研究所の立ち上げ以降、自動車メーカーや自動車部品の一次サプライヤーから多くの引き合いを得ている。

顧客業界は自動車のほか、半導体、精密機器、医療、重工業の5つ。売り上げ上位はホンダ(2024年2月期で27.4%)、日立Astemo(同14.2%)。上場に伴う公募増資で調達した資金は、領域ごとの専門性の高いチーム構築のための採用費や人件費など運転資金、借入金返済に充てる予定。

25年2月期は売上収益56億2,500万円(前の期に比べ10%増)、営業利益8億5,400万円(同25.7%減)の見込み。子会社プログレス・テクノロジーズが東京地裁で訴訟提起されていた知的財産に関する損害賠償請求事件について、昨年12月20日に和解が成立し、原告に和解金5億円を支払った。本件に係る和解金は一時的なもので、今後何らかのロイヤルティや追加的な費用発生は予定していない。この和解金を除いた調整後営業利益は13億5,400万円(同17.7%増)。26年2月期は営業利益15億8,000万円を計画。(Q)

概要

●事業内容=大手製造業向けデジタルソリューション・デジタルエンジニアリングサービスの提供
●本社=東京都江東区青海1-1-20
●代表者=中山岳人代表取締役
●設立=2025年3月
●上場前資本金=1,000万円
●発行済み株式数=777万9,400株(上場時)
●筆頭株主=ジャフコSV6投資事業有限責任組合(上場前76.02%)
●公募株式数=70万7,200株
●売出株式数=310万株(ほかオーバーアロットメントで57万1,000株)
●仮条件=3月11日に決定
●ブックビル期間=3月12日~17日
●引受証券=野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、SBI、大和、マネックス、アイザワ、東海東京、松井、あかつき

業績推移(連結)

売上収益 営業利益 1株利益 配当
2024.2 5,116 1,150 98.48
2025.2(予) 5,625 854 81.55
2026.2(予) 6,388 1,580 135.95
※単位100万円、1株利益は円

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