ペイロール(4489)が6月22日、マザーズに新規上場する。
給与計算業務などのアウトソーシング事業を手掛ける。顧客企業の人事部門に代わり、給与計算業務を受託することで顧客企業は工数削減、コア業務への特化が実現できる。国の働き方改革により、企業業務のアウトソーシング需要は高まっており、今後の発展が見込まれる。同社の給与計算処理実績人数は2020年3月期末で98万人(前期比5.8%増)に上り、業界内最多をうたっている。サービスの継続率は97.8%と高水準のストック型モデル。
給与計算だけでなく書類の回収、督促、従業員からの問い合わせ対応といった人にしかできない業務をトータルに実施する「フルスコープ型アウトソーシングサービス」が特徴。顧客企業の福利厚生や人事にかかわる業務やマイナンバーの運用・管理サービスも行っている。このように法改正とともに業務範囲の拡大することで、競争力の維持や顧客満足度向上にもつながっている。
「扶養控除申告」「雇用契約管理」といった業務ごとに専門のBPOセンターを設置。顧客企業の共通業務を標準化し、集中して大量に処理できる体制をとっている。これにより顧客企業は属人化のリスクを解消でき、スケールメリットをいかした効率的なアウトソーシングを利用できる。
また、パソコンとインターネットがあればすぐに導入できるウェブサービスで、顧客企業のシステム負担を軽減。従業員はパソコンで各種申請や勤怠管理をリアルタイムで行える。
18年から新基幹システムを使い、クラウドベースのシステムを提供。スマートフォンやタブレットを活用したウェブサービスの拡充や双方向の運用が可能なうえ、データの一元管理もできるなど、顧客企業のさらなる利便性とサービスの品質向上を図っている。
22年3月期の業績は売上収益85億6,900万円(前期比14.5%増)、営業利益15億200万円(同22.7%増)を見込んでいる。(HS)
概要
●事業内容=給与計算業務などのアウトソーシング事業
●本社=東京都江東区有明3-5-7
●代表者=湯浅哲哉代表取締役社長
●設立= 2017年4月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=1,790万6,100株(上場時)
●筆頭株主=Pacific グロース投資事業有限責任組合(上場前22.13%)
●公募株式数=42万8,000株
●売出株式数=641万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が102万5,700株)
●仮条件=6月1日に決定
●ブックビル期間=6月 3日から9日まで
●引受証券=野村(主幹事)、SMBC日興、東海東京、岡地、SBI、いちよし
業績推移(連結)
売上高 | 営業利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.3 | 7,252 | 1,151 | 41.65 | 0 |
2021.3 | 7,484 | 1,224 | 43.39 | 0 |
2022.3(予) | 8,569 | 1,502 | 61.11 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |