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IPO2023年5月25日

新規上場紹介 リアルゲイト 6月22日 グロース 遊休不動産を高収益物件へバリューアップ

リアルゲイト(5532)が6月22日、グロースに新規上場する。

利用価値を失った事務所や商業施設などの遊休不動産に耐震補強・増築・用途変更などの抜本的な改良を行い、スモールオフィスやシェアオフィスとして提供するフレキシブルワークプレイス事業を展開している。サイバーエージェント(4751・P)の連結子会社。

売上高は①マスターリース物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受、②自社保有物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受③プロパティマネジメントにおける運営委託フィー、といった物件運営を通じて継続的に得られるストック型収入がメインであり、2022年9月期実績で売り上げ全体の76%を占める。ここに④物件運営に付随する設計・施工請負契約の受託⑤保有物件の売却、といったフロー型収入が積み上がる収益構造となっている。

主な仕入れ物件は、築30年前後で延床面積300~600坪程度のコンパクトな築古ビル。オフィス需要と収益性を鑑み、東京都心部を中心に展開している。得意エリア内での物件数を増やしていくドミナント戦略が他社との差別化ポイント。東京都心部は潜在性を秘めた築古ビルの供給ストックが豊富であり、テナント需要にも恵まれている。3月末時点の稼働中プロジェクトは69件。このうち渋谷区が27件、港区が15件、目黒区が11件。狭域エリアでの展開ながら、クライアント数は46と、特定クライアントに偏ることなく業務を受託している。

4月1日時点の入居テナント数は区画契約872件、フリーデスク契約355件。入居テナントの多くが区画専有面積50平方メートル未満のスモールオフィス。また、入居テナントは情報サービス業が約4分の1を占め、創立年数が10年以内の社歴の若い会社が約6割にのぼる。

同社では必要以上にコストをかけて内装をつくりこむのではなく、天井はスケルトンでの貸し出しを基本とするなど、無駄な仕上げをなくし内装の自由度を高めている。原状回復工事についても極力抑えることで不要なコストを削減。「個性的なオフィスを適正価格で借りたい」というテナントのニッチな需要への対応を可能としている。

フレキシブルワークプレイスは企画やデザイン次第で単価が大きく上下する。例えば同社がリノベーションを手掛けた「THE WORKS」は22年9月期で年間支払賃料9,400万円の物件だったが、フレキシブルワークプレイス事業によって年間売上高2億600万円と大幅に収益性が向上する物件となった。(SS)

概要

●事業内容=不動産に関するコンサルタント業務、不動産売買業務、不動産仲介業務、不動産賃貸業務、不動産管理運営業務、建築・設計管理業務、建築および内装工事請負業務、損害保険の代理店業務
●本社=東京都渋谷区千駄ヶ谷3-51-10
●代表者=岩本裕代表取締役
●設立=2009年8月
●上場前資本金=3,000万円
●発行済み株式数=267万株(上場時)
●筆頭株主=サイバーエージェント(上場前80.64%)
●公募株式数=67万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで10万500株
●仮条件=6月5日に決定
●ブックビル期間=6月7日から6月13日まで
●引受証券=大和(主幹事)、SMBC日興、SBI、岩井コスモ、岡三、マネックス

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.9 3,810 264 26.95
2022.9 5,843 387 18.05
2023.9(予) 6,900 435 133.82
※単位100万円、1株利益は円

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