全保連(5845)が10月25日、スタンダード市場に新規上場する。

家賃債務保証を提供する。賃借人が家賃を支払わなかった場合は代位弁済し、後日、賃借人から回収する。一般的に不動産を借りる場合は連帯保証人が必要だが、家賃債務保証サービスでは連帯保証人が不要。賃貸借契約がスムーズに締結できる。また、家賃債務保証の対価として賃借人から保証委託料を受け取る。貸し倒れリスクを低減するため、審査精度を高めてきた。

保証業務協定契約を締結している不動産管理会社、不動産仲介会社などの協定会社を介して家賃債務保証サービスを提供している。本社・営業拠点は全国の主要都市を中心に19カ所。協定会社は4万1,078社、協定会社拠点数は4万9,469カ所に上る。協定会社との契約は乗り換えが少なく、一定の先行優位性を保持している。

特徴は信託口座を活用し、収納代行会社が賃貸料を立て替え払いすることで滞納リスクを解消する概算払い方式。入居時に債務保証契約と火災保険の手続きを同時で行う「Z-value」、賃借人が孤独死した場合などの事故対応費用保険の付帯サービスも提供する。事業用債務保証サービス「Z-Business NEO」もある。

今後、住居用で引き続き収益、シェア拡大を図るとともに、成長領域の事業用に注力。さらに学費保証も6月から開始した。積極的なDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略も展開している。

2024年3月期の売上高は247億5,400万円(前期比3.8%増)、営業利益23億9,500万円(同25.8%増)を見込んでいる。(HS)

●事業内容=家賃債務保証事業
●本社=沖縄県那覇市天久905
●代表者=迫幸治代表取締役社長
●設立=2001年11月
●上場前資本金=2億7,950万円
●発行済み株式数=2,299万8,000株(上場時)
●筆頭株主=AZ-Star3号投資事業有限責任組合(上場前35.15%)
●公募株式数=254万9,200株
●売出株式数=340万6,800株(ほかにオーバーアロットメントで89万3,400株)
●仮条件=10月6日に決定
●ブックビル期間=10月10日から16日まで
●引受証券=三菱UFJモルガン・スタンレー、SMBC日興(共同主幹事)、大和、SBI、楽天、松井