TOP  NSJアップデート  IPO  新規上場紹介 坪田ラボ 6月23日 グロース 現代社会の“目の問題”を解決
IPO2022年5月27日

新規上場紹介 坪田ラボ 6月23日 グロース 現代社会の“目の問題”を解決

坪田ラボ(4890)が6月23日、グロースに新規上場する。

近視、ドライアイ、老眼の新たな治療法の開発を目指す慶應義塾大学発ベンチャー。代表取締役社長の坪田一男氏は角膜治療の第一人者。

近視の患者は2020年時点で世界に約26億人存在し、50年には約48億人になると試算されている。失明につながる重大な疾患であることから予防方法の確立が急がれており、その市場規模は数兆円とも言われる。

パートナー企業との共同研究開発契約および実施許諾契約による契約一時金、マイルストーンならびに事業化後(上市後)のロイヤリティ契約によるロイヤリティが主な収益源。コンサルティング業務などで安定的な収入も得ており、これまでに数十社の企業と早期的に契約を締結。研究開発型の企業ながら、黒字化体質となっている。

坪田社長が当時教授を務めていた慶應義塾大学医学部眼科教室は17年、太陽光の中に豊富に含まれるバイオレットライトと呼ばれる光が近視の予防に有効であることを発見。このバイオレットライトを照射することで子供の近視の予防を行うメガネフレーム型近視予防デバイスについて、同社は今3月期から医療機器製造販売承認に向けた最終的な検証治験を行う予定。ジンズHD(3046・P)と日本国内における実施許諾契約を締結している。

また、1日1~2回の点眼によって近眼の進行を予防する近眼進行予防点眼薬について、ロート製薬(4527・P)と長期の開発契約を締結。治験を行い、近視予防点眼薬として上市することを計画している。

ドライアイ領域では現在、涙液の量を増やすためのビタミンD関連物質を主体とした眼軟膏を開発。マルホ社と全世界の導出に関する契約を結んでおり、開発が進むとともにマイルストーン収入を得るとともに、上市されればロイヤリティ収入を受領する契約となっている。

老眼領域は水晶体の代謝を切り口に医薬品などの開発を進める方針。このほか、前述のバイオレットライトは近視予防以外に、うつ病や認知症など、脳に対しても効果があることが徐々に解明されており、成人に対する製品群の開発を行っている。(SS)

概要

●事業内容=近視、ドライアイ、老眼等の治療に係る医薬品、医療機器等の研究開発
●本社=東京都新宿区信濃町34
●代表者=坪田一男代表取締役社長
●設立=2012年5月
●上場前資本金=2億3,105万円
●発行済み株式数=2,513万2,700株(上場時)
●筆頭株主=坪田一男(上場前61.72%)
●公募株式数=250万株
●売出株式数=134万株(ほかにオーバーアロットメントで57万6,000株)
●仮条件=6月7日に決定
●ブックビル期間=6月8日から14日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、みずほ、三田、極東、楽天、マネックス、岡三

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.3 687 255 8.97
2022.3(見込) 640 202 6.77
2023.3(予) 1,278 262 7.40
※単位100万円、1株利益は円

関連記事