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IPO2023年2月27日

新規上場紹介 日本ナレッジ 3月23日 グロース 顧客企業のソフトウエア開発を総合支援

日本ナレッジ(5252)が3月23日、グロースに新規上場する。

ソフトウエアの品質テストやシステムの受託開発を手掛け、顧客企業のソフトウエア開発を総合的に支援する。主にソフトウエアシステムの検証サービスにあたる検証事業と、システムの受託開発や業務系パッケージソフトウエアの開発・販売などを行う開発事業を展開している。

同社は鋼材業向けのパッケージソフト開発を主な業務として、1985年に設立。2001年にソフトウエアの検証事業を立ち上げ、開発工程におけるテスト工程を専門に請け負う仕事を主力事業に成長させた。ソフトウエアの品質担保に関する業務は従来、メーカーやソフトウエア開発会社が自社内で実施してきたが、国内のIT人材不足やソフトウエアの複雑化によりテスト工程の外注が加速していることが、同社への追い風となっている。

売上高の6割を占める検証事業は、スマートフォンやカーナビのハードウエアに組み込まれて作動する組み込みソフト、法人向けの販売管理などの業務系システム、WEB上で作動するWEBシステムなどを検証の対象とし、ソフトウエアの開発工程で不具合を回避、軽減するためのサービスを提供している。システム全体の品質を確認するため、従来は多くの単純作業をエンジニアが手動で行ってきたが、同社は17年頃からテスト工程の自動化を推進。エンジニアは人間にしかできない領域のテストに注力できるようになり、業務の効率化につなげている。

一方、売上高の4割を占める開発事業では、大手ベンダー製のパッケージソフトウエアを導入した顧客企業が、業務の利便性を高めるために個別機能を付加する場合のシステム開発の受託や、セキュリティー製品の開発・販売、鋼材業など特定の業界に向けたパッケージソフトウエア製品の開発・販売・保守などを行っている。業界特有の商慣習に対応した鋼材卸業向けの販売購買在庫管理システム「PowerSteel」や、建材・木材業界に向けた「PowerCubic」の販売、保守サービスが堅調に推移。セキュリティー製品についても危機管理意識の高まりを受け、自治体や大手企業から引き合いが増えつつある。

顧客企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資意欲は旺盛で、ソフトウエアのテスト市場も需要の拡大が見込まれる。同社の23年3月期は売上高が前期比7.0%増の34億5,700万円、営業利益は同36.4%増の1億8,000万円、当期純利益は同17%増の1億1,000万円を計画している。(YY)

概要

●事業内容=ソフトウエアのテスト・品質検証サービスと、システム受託開発や業務系のパッケージソフトウエアの開発・販売
●本社=東京都台東区寿3-19-5
●代表者=藤井洋一代表取締役社長
●設立=1985年10月
●上場前資本金=8,600万円
●発行済み株式数=137万6,000株(上場時)
●筆頭株主=ウィステリアトラスト(上場前54.97%)
●公募株式数=19万株
●売出株式数=18万5,000株(このほかオーバーアロットメントで5万6,200株)
●仮条件=3月3日に決定
●ブックビル期間=3月7日から13日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、野村、岩井コスモ、極東、東洋、水戸

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.3 2,823 63 28.60 15
2022.3 3,231 137 82.69 15
2023.3(予) 3,457 168 92.82 15
単位100万円、1株利益・配当は円

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