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IPO2021年6月9日

新規上場紹介 日本電解 6月25日 マザーズ 車載電池など電子機器向け銅箔の製造販売

日本電解(5759)が6月25日、マザーズに上場する。

スマートフォンなどモバイル機器の小型化や高性能化を実現する高密度実装技術や、電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)の性能向上を支えるリチウムイオン二次電池(LIB)に使われる電解銅箔を開発している。

電子・電気機器を制御する信号を伝える回路基板の導体のほとんどが電解銅箔で形成されており、EVなど電動機械で使用される電池は軽量化のためLIBが欠かせない。また、電解銅箔はLIBに用いられる負極集電体にも使われるなど、日常生活で不可欠な各種機器で使用されている。

同社が製造する銅箔製品はEVやHVに搭載されるLIBの素材、および携帯電話など5G関連デバイスを含む電子機器に実装する回路基板の素材として使われる。EV用LIB向けでは電気抵抗の低い素材として性能の向上に貢献しているほか、全固体電池など次世代LIBでも要求特性に適合した製品開発に取り組んでいる。また、高機能回路基板市場では5Gの商用サービス開始がビジネスチャンスとなっており、自動運転機能に対応するレーダーや超音波センサー、カメラなど電子機器向けの需要拡大も見込まれる。

銅箔製品は茨城県の本社工場と米国子会社の2拠点で製造。本社で製造する車載電池用銅箔は日系大手LIBメーカーを通じたEVメーカー向け販路を有しており、回路基板用銅箔製品については日米の大手銅張積層板メーカー経由で5Gスマホや基地局の実装OEMメーカーに販売している。一方、米子会社が製造する汎用箔は米国の銅張積層板企業向けとなっている。

車載電池用銅箔の新製品開発では、先進LIBや全固体電池など次世代LIBの特性に合わせた薄箔製品や高強度電池用銅箔の開発を推進。xEVに搭載されるLIBのエネルギー密度向上やコバルトフリーといった技術進化に対応していく。回路基板用銅箔については、5GやHDI(高密度実装配線)領域をターゲットとした製品開発を続けて、より高品質で高性能な銅箔を製造する考えだ。

2022年3月期業績は、売上高188億6,000万円(前期比29.3%増)、経常利益12億2,600万円(同2.8倍)を見込む。(NA)

概要

●事業内容=電解銅箔の製造販売
●本社=茨城県筑西市下江連1226番地
●代表者=中島英雄代表取締役社長
●設立=2016年6月(実質上1958年10月)
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=725万株(上場時)
●筆頭株主=MSD第一号投資事業有限責任組合(上場前89.0%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=495万3,000株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が64万2,400株)
●仮条件=6月9日に決定
●ブックビル期間=6月10日から16日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、野村、SBI、マネックス、楽天、岩井コスモ、水戸

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2020.3 12,480 842 276.12 0
2021.3 14,584 440 26.86 0
2022.3(予) 18,860 1,226 120.55 0
※単位100万円、1株利益は円

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