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IPO2024年10月3日

新規上場紹介 東京地下鉄 10月23日 プライム 首都圏最強の私鉄

東京地下鉄(9023)が23日、プライムに新規上場する。

前身は1941年7月に特殊法人として設立された帝都高速度交通営団で、東洋初の地下鉄を開業した東京地下鉄道や東京高速鉄道から営業線(現銀座線)、東京市などから地下鉄道の免許線を譲り受け、同年9月に営業を開始。特殊法人等改革基本法に基づき2004年に株式会社化された。現在、国が53.4%、都が46.6%を保有し、上場に伴い国と都は保有株の半数をそれぞれ売り出す。国は売却収入を復興債の償還費用に充てる。

営業収益の91%を運輸業が占める。東京都区部を中心に9路線からなる地下鉄網を有し、営業キロ195キロメートル、1日平均652万人が利用。都心部での短距離・大量輸送による効率的な輸送により売上高営業利益率が約20%と首都圏の私鉄で群を抜く。

新線建設は有楽町線延伸(豊洲―住吉間)・南北線延伸(品川―白金高輪間)を除いて今後も行わず、新線建設への協力が求められた場合は経営に悪影響を及ぼさない範囲で行う方針。両線延伸も経営に悪影響を及ぼさないよう、補助金など十分な公的支援をもとに進める。

ほか、渋谷マークシティなど沿線でのオフィスビルやホテルを中心とした不動産賃貸、Echikaなど商業施設の運営、駅構内や車両内広告を扱う広告事業、光ファイバーの賃貸などを手掛ける。

今後の人口動向などから運輸業の拡大には一定の限度があるため、今後は不動産事業、流通事業などをさらに積極的に展開していく。駅周辺の都市開発と一体となった不動産開発や遊休資産の有効活用のほか、不動産アセットマネジメント事業に向けた準備も進めている。

配当は連結配当性向40%以上を目指し、継続的かつ安定的に行う。また、3月末および9月末の株主に対し、所有株数に応じて全線切符(片道1回限り)または全線定期乗車券などを贈る。

今3月期業績は営業収益4,075億円(前期比4.7%増)、営業利益880億円(同15.2%増)を計画。旅客運輸収入はコロナ前の98%水準回復を前提とし、営業収益は過去最高の20年3月期(4,331億円)に及ばない。一方、営業利益は安全対策費や電気料増加を織り込んだ上で最高益更新を見込む。(Q)

概要

●事業内容=1.旅客鉄道事業の運営 2.都市・生活創造事業の運営=流通事業(駅構内店舗、商業施設の運営など)、不動産事業(オフィスビルの賃貸など)、情報通信事業(光ファイバーケーブルの賃貸など)
●本社=東京都台東区東上野3-19-6
●代表者=山村明義代表取締役社長
●設立=2004年4月
●上場前資本金=581億円
●発行済み株式数=5億8,100万株(上場時)
●筆頭株主=財務大臣(上場前53.42%)
●公募株式数=なし
●売出株式数=2億9,050万株
●仮条件=10月7日に決定
●ブックビル期間=10月8日~11日
●引受証券=野村、みずほ、ゴールドマン・サックス、三菱UFJモルガン・スタンレー、メリルリンチ(共同主幹事)、SMBC日興、大和、SBI、岡三、東海東京、楽天、岩井コスモ、松井、マネックス、アイザワ、あかつき、極東、東洋、丸三、水戸、むさし、FFG、ちばぎん、内藤、西日本シティTT、Jトラストグローバル、立花、八十二、北洋、リテラ・クレア、光世、JPモルガン、シティグループ、BofA、UBS

業績推移(単独)

営業収益 経常利益 1株利益 配当
2023.3 345,370 19,694 47.80 20
2024.3 389,267 65,866 79.63 32
2025.3(予想) 407,500 76,700 90.02 40
※単位100万円、1株利益・配当は円

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