豆蔵デジタルホールディングス(202A)が6月27日、グロースに新規上場する。
働き方改革が遅れているもしくはロボット活用難易度が高いなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が遅れている特定業界向けに工学的手法(AIソフトウエア光学、ロボット工学など)を駆使したプラットフォームを提供する。
クラウド関連の教育、既存システムのクラウド化、内製化推進による新規サービス構築など、企業がデジタルシフトを実現する上で必要な様々なソリューションを有する。また、生成AIを活用した新規ビジネスにも注力。その結果、金融、通信、製造、商社など幅広い業種の大手企業を顧客として抱え、プライム上場企業(含む関連会社)からの売上高比率80%超、平均取り引き年数8年と強固な顧客基盤を確立している。
サービスは大きく4つに区分され、クラウドなど最先端技術を活用した内製化推進コンサルティング、ERP導入などを行う「クラウドコンサルティング」、DX推進企業に対してAIを活用したデータ利活用・システムの企画・設計、アルゴリズム開発、生成AI導入支援サービスを提供する「AIコンサルティング」、自動車・ロボットなど組込系システムを扱う企業向けにAIソフトウエア開発の技術導入支援、モデルベース開発(MBSE)を行う「AIロボティクス・エンジニアリング」、自動車・航空宇宙・船舶分野に関連したAIソフトウエアの開発支援や教育サービス、FA(ファクトリーオートメーション)実現に向けたコンサルティングを提供する「モビリティ・オートメーション」がある。
企業のDX化は企業活動の情報をデータ化する段階を超え、次の重要なテーマとしてデータの利活用が浮上。顧客企業においては時間がかかる外注ではなく、自社内でデータを利活用する内製化を選択する動きが加速しており、従前よりこれらに取り組み多くのノウハウを有している同社には追い風が吹いている。なお、中核となる豆蔵は内製化支援推進AESパートナーの認定を受けており、顧客企業のDX化の内製化の実績およびAIソフトウエア工学に基づく高い技術力が評価されている。
同社では6つのコンセプト(①直接取引の重視②技術ノウハウの伝授③超上流からの参画④社員成長の最優先⑤採用促進と離職率低下⑥知見の形式知化)に基づいた独自のビジネスモデル『豆蔵 Way』を確立。ビジネスがエンジニアに属人化される“労働集約型”ではなく、知見が企業に根差す“知識集約型”モデルを目指す。(SS)
概要
●事業内容=企業のデジタルシフトを実現し、顧客とともにデジタル競争力を高めるためのクラウドコンサルティングサービス、AIコンサルティングサービス、AIロボティクス・エンジニアリングサービス、モビリティ・オートメーションサービス
本社=東京都新宿区西新宿2-1-1
●代表者=中原徹也代表取締役社長
●設立=2020年11月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=1,605万株(上場時)
●筆頭株主=豆蔵K2TOPホールディングス(上場前96.74%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=448万株(ほかオーバーアロットメントで60万7,500株)
●仮条件=6月10日に決定
●ブックビル期間=6月11日から17日まで
●引受証券=SMBC日興、三菱UFJモルガン・スタンレー、モルガン・スタンレーMUFG(共同主幹事)、大和、みずほ、野村、香川、SBI、松井、マネックス、東海東京
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.3 | 8,859 | 1,589 | 68.94 | 30.80 |
2024.3 | 9,586 | 1,820 | 72.48 | 133.95 |
2025.3(予) | 10,552 | 2,050 | 85.18 | 59.58 |
※単位100万円、1株利益・配当は円。23年3月期および24年3月期配当金は株式併合考慮後の数値 |