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IPO2023年5月16日

新規上場紹介 ABEJA(アベジャ) 6月13日 グロース “デジタル版EMS”で企業のDXを支援

ABEJA(5574)が6月13日、グロースに新規上場する。

データの生成から収集、加工、分析、AIモデリングまでのプロセスを提供するソフトウエア群「ABEJA Platform」を基盤に、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するデジタルプラットフォーム事業を展開。まず、トランスフォーメーション領域ではABEJA Platform上でDX推進のビジネスプロセスをシミュレーション、構築した後、オペレーション領域に移行して安定的な運用をサポートする。一連の流れが製造業のEMS(製造請負)に近い形態であることから、自社のビジネスモデルを“デジタル版EMS”と銘打っている。

ABEJA Platformには、これまで300社以上に対するサービス提供実績と、その際に開発されたモジュール群が備わっている。顧客企業は必要なデータを同プラットフォームに蓄積することにより、セキュリティーを担保した環境の中でデータ加工などを行い、当該データとプラットフォーム内であらかじめ準備されているAIモデルを組み合わせ、簡便に属性推定システム、異常検知システムなどのAIシステムを構築することができる。既に基礎的な機能面における投資はほぼ完了。コア技術については特許を取得し、競合他社へのけん制、優位性の一要素となっている。

トランスフォーメーション領域はフロー型(都度契約)、オペレーション領域はストック型(継続収入)の契約形態となる。前8月期のABEJA Platform関連の売り上げ比率は83.6%、利用社数は266社。また、継続顧客からの売り上げ比率は91.8%、大口顧客(売上高3,000万円超)のアップセル率は100%となっている。DXは段階的に進めていくため、多くはフロー型の契約となるが、一方で長期間にわたる計画的なプロセスとなることから、売上高に占める継続顧客の割合が高い。

なお、同社の大株主であるSOMPOホールディングス(8630・P)に対する前期売上高は総売り上げの38%を占めている状況だが、今後は良好な関係を維持するとともに、既存顧客の深耕や新規顧客の開拓を進め、依存度を低下させる方針。(SS)

概要

●事業内容=DXプラットフォーム「ABEJA Platform」を基盤として顧客企業のDXを総合的に支援する「デジタルプラットフォーム事業」の運営
●本社=東京都港区三田1-1-14
●代表者=岡田陽介代表取締役CEO
●設立=2012年9月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=841万1,400株(上場時)
●筆頭株主=岡田陽介(上場前17.76%)
●公募株式数=70万株
●売出株式数=55万株(ほかにオーバーアロットメントで18万7,500株)
●仮条件=5月25日に決定
●ブックビル期間=5月29日から6月1日まで
●引受証券=野村(主幹事)、SBI、三菱UFJモルガン・スタンレー、みずほ、楽天、マネックス、松井

業績推移(単体)

経常収益 経常利益 1株利益 配当
2021.8 1,259 ▼259
2022.8 1,978 ▼181
2023.8(予) 2,767 366 40.74
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字

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