ASNOVA(9223)が4月21日、名証ネクストに新規上場する。
クサビ式足場を中心とした仮設機材のレンタル・販売サービスを展開。サービス・品ぞろえの強化の一環としてオリジナル品の開発も行っており、例えば仮設足場からの落下物を防ぐため設置が義務付けられている朝顔(防護柵)では、オリジナル金具を用いて部品点数の半減かつ軽量化を実現した新機材「くさび緊結式次世代シート朝顔 Speek」を展開している。
主軸はレンタルサービス。クサビ式足場は主に戸建・低中層マンションに使用され、施工費用が比較的安く、保管・運搬・施工効率が良いという特徴がある。近年は改修需要の増加、工事の繁忙期と閑散期の変動幅の拡大などにより、施工業者の仮設機材在庫負担が増大。投資負担を軽減し、繁閑に応じて仮設機材数量の調整弁となる仮設機材レンタルのニーズは高く、取引業者数は拡大を続けている。
レンタル仮設機材の調達費用は5年間で償却処理しているが、償却後の稼働によりレンタルサービスに供する機材の保有量が増加し、売上高・利益の向上が見込まれる収益構造となっている。現在、本州内に営業所5カ所、機材センター17カ所を展開。成長著しいベトナムにおけるレンタル展開も模索している。
また、2019年4月より、レンタルサービスを利用する顧客向けに販売も含めた提案を行うなどワンストップのサービスを提供するようになった。レンタル用機材として購入してから6年以上が経過した機材を選別し、中古機材として販売するという手法も取っている。販売を行うことで、顧客サイドの減失・破損などに伴う一定数量の機材の更新需要、事業規模拡大のための投資需要を取り込んでいるが、会社側は「販売は行うものの大きく伸長させるような計画とはしていない」とし、あくまで事業の本流はレンタルである点を強調している。
取引先のほとんどは建設会社、住宅メーカーなどから受注を受ける中小足場施工業者。足場施工業者の受注案件の納期は3月末に集中する傾向にあり、足場の施工はその前段階で必要となる。そのため、同社の売上高・利益は第3四半期(10~12月)に偏重する習性がある。
建設仮設業界の活性化に向けた取り組みにも積極的。足場の持つ“仮設性”に着目したメディアサイト「POP UP SOCIETY」で継続的に情報発信を行っているほか、一般の人が足場に触れる機会を創出することを目的に、足場を用いたパルクールのイベントを開催している。(SS)
概要
●事業内容=クサビ緊結式足場の仮設資材レンタル・販売及び足場架払工事
●本社=愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12
●代表者=上田桂司代表取締役社長
●設立=2013年12月
●上場前資本金=8,801万7,000円
●発行済み株式数=153万9,900株(上場時)
●筆頭株主=一般社団法人ニチレン(上場前52.58%)
●公募株式数=17万7,000株
●売出株式数=4万5,000株(ほかにオーバーアロットメントで3万3,300株)
●仮条件=4月4日に決定
●ブックビル期間=4月6日から12日まで
●引受証券=東海東京(主幹事)、SMBC日興、SBI、丸三、マネックス、松井、水戸、岡
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2020.3 | 2,724 | 282 | 194.97 | ― |
2021.3 | 2,241 | 11 | 11.68 | ― |
2022.3(予) | 2,698 | 309 | ― | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |