TOP  NSJアップデート  IPO  新規上場紹介 Heartseed 7月30日 グロース 再生医療で心臓病治療へ
IPO2024年7月5日

新規上場紹介 Heartseed 7月30日 グロース 再生医療で心臓病治療へ

Heartseed(219A)が7月30日、グロースに新規上場する。

「再生医療で心臓病治療の扉を開く」を掲げ、弱まった心臓を再生心筋で置き換える「Remuscularization」(心筋補填療法)の開発をしている。福田恵一社長は慶応義塾大学医学部教授。1999年に骨髄間葉系幹細胞から心筋細胞の分化誘導に世界で初めて成功して以来、世界の再生心筋領域を長らくリードしてきた。

心不全は心臓の能力低下で心拍出量が低下し、心臓自身が拡大した結果臓器うっ血、呼吸困難などの症状を起こす症候群。生存率が低い疾患で、2017年時点で世界に約6,500万人の患者がいる。日本では約130万人の患者がいるとされ、20年には約9万人が亡くなった。

心筋細胞は生まれた後は細胞分裂をしないため、一部が壊死するとその後再生することがない。心臓移植で治療できるが、ドナーが不足している。そのため、iPS細胞由来の心筋球を心臓壁に直接移植することで機能する心筋の数を増やすのが心筋補填療法だ。

特に収縮不全の重症心不全を対象に他家iPS細胞由来心筋球による治療法の開発を進めており、最も確実な開胸手術下で移植する「HS-001」の治験を先行させ、現在、国内でフェイズ1/2の段階。5月末時点で5例の患者に投与し、試験データで承認申請を行っている。これまで、移植部位の収縮力の改善などの成果が確認され、日本循環器学会での発表も行っている。その後、より負担の少ないカテーテルで移植する「HS-005」、自家iPS細胞を用いた「HS-040」に展開していく予定。

また、心筋再生医療の海外展開を視野にいれ、21年5月にデンマークに本社があるグローバル製薬企業ノボノルディスクと全世界を対象に独占的技術提携、ライセンス契約を締結した。海外はノボノルディスク、日本では両社共同で商業化する。21年に契約一時金を受領しており、今後、進捗に応じてマイルストン収入を受けられる。(HS)

概要

●事業内容=重症心不全患者を対象としたiPS細胞由来心筋球移植治療をはじめとする再生医療など製品の研究・開発
●本社=東京都港区芝浦1-2-3
●代表者=福田恵一代表取締役社長
●設立=2015年11月
●上場前資本金=5,000万円
●発行済み株式数=2,199万6,900株(上場時)
●筆頭株主=福田恵一(上場前15.09%)
●公募株式数=180万1,700株
●オーバーアロットメントによる売出株式数=27万200株
●仮条件=7月11日に決定
●ブックビル期間=7月12日から19日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、野村、楽天、松井、マネックス、極東

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.10 499 ▼1,410
2023.10 344 ▼1,473
2024.10(予) 153 ▼1,798
※単位100万円、▼は損失

関連記事